Fix it 50994を適用した環境で、JREのインストールが失敗する

先月末、SDL Trados Studio 2014 SP1がリリースされ、弊社でも少しずつインストールを始めているところです。

fixit50994そこで遭遇したのが、環境によってエラーが発生するものとそうでないものがあるという現象です。インストールはいくつかのパートに分かれているのですが、エラーが発生するのはJava Runtime Environment(JRE)導入のパートであり、これはトラブルに見舞われた環境すべてに一致するものでした。Trados Studio 2014 SP1はJRE 8が必須となり、アプリケーションのインストーラに同梱されているのですが、これが問題を引き起こしているようでした。

インストールログを精査し、各環境のインストール済みのアプリケーションを調べていくうちに、Microsoft提供のIEでJavaプラグインを無効するためのプログラム「Fix it 50994」が問題を引き起こしていることがわかりました。これがインストールされるとIE上でjavaのコンテンツが無効となり、昨今増加しているJavaプラグインのセキュリティ・ホールをついた攻撃を回避できるメリットがあります。

ただし、このFix itにはJREのインストールを失敗させる副作用があるようです。試しに、このFix itを無効化するプログラム「Fix it 50995」を適用したところ、JREのインストールが無事に完了することを確認しました。

ということで、JREのインストールでエラーが発生する際は「Fix it 50994」が適用済みかどうかご確認ください。解決の糸口になるかも知れません。

MMIC(モノリシック・マイクロ波集積回路)

高周波シミュレーションに関する翻訳に、MMICという言葉がよく出てくる(例えば、Agilent EEsof EDA W2321 レイアウト・エレメント)。MMICは、Monolithic Microwave Integrated Circuit(モノリシック・マイクロ波集積回路)の略である。

半導体デバイスは、ダイオードやトランジスタなどの個別半導体素子(ディスクリート半導体)と集積回路(IC)の2種類に分類される。集積回路は、ハイブリッド集積回路(ハイブリッドIC)とモノリシック集積回路(モノリシックIC)の2種類に分類される。モノリシックICとは、シリコン(Si)やガリウムヒ素(GaAs)などの単一の半導体基板(ウェハー)上にトランジスタ、ダイオード、抵抗、キャパシタなどの素子を一体に形成して機能を実現したもので、ICと言えば、通常はモノリシックICのことである。ハイブリッドICは、絶縁基板上に個別半導体素子、モノリシックIC、抵抗、コンデンサなどの電子部品を高密度に実装して、1つのICのようにパッケージングしたものである(例えば、ここの構造を参照)。

したがって、MMICとは、マイクロ波帯のミキサ、増幅、スイッチングなどの機能を、単一の半導体基板上に形成したICである(例えば、ここの画像)

third-order intercept point(3 次インターセプト・ポイント)

増幅器などの非線形デバイスの測定に関する翻訳に、third-order intercept point(3 次インターセプト・ポイント)という言葉がよく出てくる(例えば、PNA-X ネットワーク・アナライザによる正確な相互変調歪み測定のp3)。third-order intercept point(3次インターセプト・ポイント)は、IP3またはTOIと略記されることがある。

図1

図1


図1に示すような、出力電圧が入力電圧の3次式で表わされる、わずかに非線形なデバイスを考える。デバイスに周波数が近接した(ω1≒ω2)2つの正弦波(2トーン信号)を入力すると、三角関数の公式から、図2に示す成分が出力に現れる。

各成分の振幅を周波数軸に対してプロットすると(図3の上)、2つの正弦波の基本波周波数(ω1とω2)に近接した3次相互変調成分(2ω1-ω2、2ω2-ω1)が現れる。この3次相互変調成分は、(ω1≒ω2から、2ω1-ω2≒ω1≒ω2≒2ω2-ω1なので)信号波(ω1とω2)に非常に近接した妨害波となり、フィルタで除去するが困難である。また、これらの成分の振幅を表わす係数から、2つの基本波成分の振幅が1dB変化したとき、3次相互変調成分の振幅は3dB変化する。

図2

図2


これを両対数グラフ(図3の下)で表わすと、入力振幅に対する、出力の基本波成分の振幅および3次相互変調成分の振幅の関係は比例関係であり、3次相互変調成分の振幅を表す直線(緑色)の傾きは、基本波成分の振幅を表す直線の傾き(ピンク色)の3倍になる。基本波成分と3次相互変調成分はやがて利得圧縮(飽和)により比例関係から外れるが、それぞれの比例部分を延長した2つの直線が交わるポイントが3次インターセプト(TOI)ポイントである。3次インターセプト・ポイントを求めておくと、基本波のみ観測されていて3次相互変調成分がノイズに隠れて見えない場合でも、その大きさを見積もることができる
図3

図3