CW

計測分野の翻訳で、信号発生器と関連してCWという言葉がよく出てくる(例えば、Agilent M9380A PXIe CW信号発生器)。

CWは、Continuous Wave(連続波)の略である。アマチュア無線などでは、変調されていないRF正弦波(連続波)をモールス符号で断続して通信するモールス通信のことをCW通信と呼ぶことが多い。計測分野では、CW信号とは周波数と振幅が一定の正弦波を意味する。CW信号発生器とは、周波数と振幅が一定の正弦波を発生させる装置であり、掃引信号発生器とは、正弦波の周波数または振幅を変化させながら発生できる装置である。

信号発生器については、以下を参照。
信号源の基礎

baseband signals(ベースバンド信号)

通信測定に関する翻訳で、baseband signals(ベースバンド信号)という言葉がよく出てくる。

ベースバンド信号とは、伝送したい元(オリジナル)の信号のことで、ラジオや電話では音声信号であり、データ通信ではオン/オフを表すパルス列である。また、変調して搬送波に乗せる直前の信号を意味する場合もある。

ベースバンドについては、以下を参照。
無線にゃんの技術解説記事一覧ベースバンド

変調、搬送波、ベースバンドについては、以下を参照。
電波で情報を送れる仕組み

InfiniBand(インフィニバンド)

高速デジタル測定に関する翻訳で、InfiniBandという言葉が出てくる(例えば、InfiniBand 用テスト・ツール)。

InfiniBandの歴史は結構古く、コンピュータ・システムのCPUやメモリの高速化に伴い、IOサブ・システムとのデータ伝送速度のボトルネックを解消するために、1999年にIntel社を中心に標準化が推進されてきた。しかし、PCI-Xやギガビット・イーサネットの普及により、2002年にIntel社が市場から撤退し一時下火になっていたが、2012年に再びIntel社がQLogic社のInfiniBandの資産を買収した。現在は、データ・センタやスーパーコンピュータなどのHPC(High Performance Computing)クラスタのノード間通信に、低レイテンシのInfiniBandが利用されている。新聞でも時々話題になるTOP 500 Supercomputingの2011年のランキングでは、42%がInfiniBandを採用し、ギガビット・イーサネットの48%に迫っているらしい。

InfiniBandについては、以下を参照。
InfiniBand探検隊リターンズ【前編】~2012年現在も進化を続けるInfiniBandの最新状況
InfiniBandで変わるデータセンター内通信(前編)

eNB

LTEに関する測定の翻訳で、eNBという言葉がよく出てくる(例えば、LTE の動作と測定におけるMIMO:LTE テストの概要)。

eNBはevolved Node Bの略で、LTEの基地局のことであり、eNodeBと略されることもある。W-CDMAの基地局はNodeBと呼ばれる。NodeBでは、ソフトハンドオーバ(無線端末がセル間を移動する際に基地局を切り替えるときに通話の瞬断が生じないように、最大3つの基地局と通信しながらハンドオーバを行う)をサポートするために上位局のRNC(Radio Network Controller)の制御下で動作するのに対して、eNodeBでは、RNCの機能が基地局とコアに分散され、シンプルで低コストなネットワーク構成を実現できる。

eNBについては、@IT次世代の無線技術、LTEの仕組みが分かる知られざるLTEのネットワーク構成 連載:次世代の無線技術、LTEの仕組みが分かる(2)を参照。