IoTデバイスの測定に関する翻訳に、Z-Waveという言葉が最近よく出てくる(例えば、IoT対応民生用エレクトロニクスデバイスのp11)。
IoT向けの無線通信規格として、近距離ネットワーク用のBluetooth Low Energy (BLE)、ZigBee、Wi-SUN、中距離ネットワーク用の802.11ah、長距離ネットワーク用のNB-IoT、SIGFOX、LoRaWANなどがある。Z-Waveは、IoT向けの近距離ネットワーク用の規格で、特にスマートホームのネットワーク用として普及が進んでいる。Z-Waveは、無線による照明制御から発展したもので、デンマークのZen-sys社が2003年に開発した規格(2009年に米国のSigma Designs社がZen-sys社を買収)である。Z-Waveアライアンスを設立して、規格の普及、開発を推進している。
Z-Waveの特長は、900MHz帯のISMバンドを使用していることで、これにより、家庭で一般的に使用されている2.4GHz帯のISMバンド(無線LANや電子レンジ)との干渉がなく、障害物があっても回折により電波が回りこみやすく、通信距離が長くなる。また、デバイスが1社による独占供給なので、完全互換性が得られるという利点はあるが、スマートホーム市場でさらに普及するための問題点になる可能性もある。
Z-Waveは、欧米では普及しているが、日本では、900MHz帯の電波利用の再編の影響(2012年に免許不要の920MHz帯が使用可能になる)や法規制(2013年5月10に、無線通信による電源オン操作が可能になる)のために、普及が遅れている。
Z-Waveについては、以下を参照。