計測関係の翻訳に、Kelvin connection(ケルビン接続)という言葉がよく出てくる(例えば、パラメトリック測定器 アクセサリ・ガイドのp6)。ケルビン接続とは、抵抗測定における4端子法(または4線式と呼ばれることもある)のことである。
デジタル・マルチメータやアナログ・テスタなどで2端子法(2線式)で被測定抵抗を測定する場合は、リード線の抵抗値や端子とリード線の接触抵抗値を含む抵抗値が測定される。被測定抵抗の抵抗値が大きく、リード線の抵抗や端子とリード線の接触抵抗による電圧降下が被測定抵抗による電圧降下に比べて無視できる場合は、2端子法でも測定誤差が少なく問題はない。
被測定抵抗の抵抗値が微小な場合は、2端子法では大きな測定誤差が生じる。これは、電流を流すリード線と電圧を測定するリード線が共用されている(リード線や端子による電圧降下が、被測定抵抗による電圧降下に対して相対的に大きくなる)からである。
この問題を回避するための手法が4端子法(4線式抵抗測定)で、電流を流すリード線とは別に電圧を測定するリード線を被測定抵抗の両端に追加する測定法(被測定抵抗に合計4個の端子ができるので4端子法と呼ばれる)である。このようにして、電流を流す回路と電圧を測定する回路を分けることにより、被測定抵抗による電圧降下のみを正確に測定でき(電圧測定回路にはほとんど電流が流れないので)、被測定抵抗のみの抵抗値が得られる。
4端子法については、以下を参照。