測定器のノイズに関する性能で、kTBという言葉がよく出てくる(例えば、Agilent スペクトラム解析の基礎の第5章 感度と雑音(p46))。これは、熱雑音のレベル(パワー)を表す式である。ここで、k=ボルツマン定数、T=温度、B=ノイズ測定時の帯域幅である。
導体や抵抗体に電圧を印加すると電流が流れるのは、その中に、キャリア(電流を運ぶ担い手である伝導電子や正孔)が存在するからである。この電子や正孔は、電圧を印加していない状態ではじっと静止しているわけでなく、熱(温度T)によりランダムに運動している。この運動エネルギーが熱雑音パワー(kTB)の正体である。
kTBの導出については、以下を参照。
受信機 高性能化―理論と実際(関 英男著)の「3.2 雑音」(p42~p44)
干渉計サマースクール2005 教科書の「1.3.6 パワーの温度換算」(p14~p15)