CXPI

シリアルバスの測定に関する翻訳に、CXPIという言葉が出てくる(例えば、InfiniiVision Xシリーズ オシロスコープ用シリアル・バス・オプションのp2)。

最近の自動車には、ECU(Electronic Control Unit)と呼ばれる自動車制御用コンピュータが多数搭載され(100個以上搭載している自動車もある)、電子制御により高度な機能(パワートレイン制御(エンジンやトランスミッションの制御)、ボディー制御(パワー・ウィンドウ、ドアロック、ミラーなどの制御)、安全制御(各種センサで取り込んだ車外情報によるブレーキ制御など)など)を実現している。また、これらの機能は互いに関連することが多いので、各ECU間でデータ通信を行って協調動作する必要がある。しかし、各ECUをそのデータ専用の個別のワイヤで配線すると、ECUの数が多い場合は、配線の数が膨大になり、配線の重量やスペースが増え、コストの増加、信頼性の低下、故障診断や設計変更が困難になるといった問題が生じる。

電子制御機能の内のボディー制御には、シンプルで低コストのLINの使用が適しているが、応答が遅いという欠点がある(マスターデバイスが順次スレーブデバイスをポーリングして通信を許可する方式で、スレーブ間通信はマスターを経由する必要があるので)。そこで、低コストで応答性を高めた車載通信規格として、日本発の国際標準を目指して社団法人自動車技術会が推し進めているのが、CXPI(Clock Extension Peripheral Interface)である。CXPIでは、CSMA/CR(Carrier Sense Multiple Access / Collision Resolution、搬送波感知多重アクセス/衝突解消)と呼ばれる方式を使用して、バスへのアクセスがなければどのスレーブも送信が可能で、同時に送信した場合もそれを調停する仕組みを備えているため、LInに比べて応答性が向上する。

CXPIについては、以下を参照。

日本発の車載LAN規格「CXPI」は「CANとLINのイイとこどり」

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