測定器に関する翻訳で、diplexer(ダイプレクサ)という言葉がよく出てくる(例えば、ミリ波・サブミリ波周波数エクステンダーのp2)。
diplexer(ダイプレクサ)は、マルチプレクサの最も簡単なもので、2つのポートに入力された信号を混合して1つのポート(コモンポート)から出力したり、1つのポートに入力された信号を分離して2つのポートから出力する3ポートデバイスである。無線通信の分野では、ダイプレクサは、ローパスフィルタ、ハイパスフィルタ、またはバンドパスフィルタを用いて信号を混合したり分離するので、周波数が離れている2つの比較的広い周波数バンドの混合や分離に使用される(例えば、地上波TVアンテナからの信号とBSアンテナからの信号を混合して一本のアンテナ線で送るための混合器や、混合されて一本のアンテナ線で送られてきた地上波TV信号とBS信号を分離してテレビのそれぞれのアンテナ端子に接続するための分波器としてよく見かける)。
diplexer(ダイプレクサ)によく似た用語に、duplexer(デュプレクサ)という用語がある。デュプレクサは、ダイプレクサとは異なり、Q値の高いキャビティ共振器を用いて、送信機と受信機が非常に近い周波数で同じアンテナを共用するために、2つの入力を混合したり分離するための3ポートデバイスである(例えば、レーダー信号の送受信や携帯電話のアップリンク/ダウンリンクで同じアンテナを共用するために使用されている)。
しかし、diplexer(ダイプレクサ)とduplexer(デュプレクサ)は、2つの入力を混合したり分離するための3ポートデバイスとして、区別なく使用されている場合もある。
diplexer(ダイプレクサ)については、以下を参照。
diplexer vs duplexer-difference between diplexer and duplexer(英語ページ)