ハンドヘルド・アナライザに関する翻訳に、DTFという言葉がよく出てくる(例えば、FieldFoxハンドヘルド・アナライザのp3)。DTFは、Distance To Faultの略で、「障害位置検出」と訳されることが多い。
携帯電話の基地局のアンテナは高い塔やビルの上にある場合が多く、送信機とアンテナ間のケーブルは、風雨にさらされ温度/湿度の極端な変化を受けるので劣化しやすい。DTF測定はこのようなアンテナ/ケーブルの障害の調査に使用されることが多い。
アンテナが高い塔の上にある場合は、送信機の出力端子とアンテナの入力端子を接続するケーブルを取り外して、ケーブルの両端で測定するのが難しいので、送信機と接続する側のケーブル端から周波数掃引信号を入力して、ケーブルの途中の劣化箇所(ケーブルの極端な曲がりや亀裂、コネクタの接続不良など)でのインピーダンスの変化に起因する反射波が、反射係数(VSWR、リターンロス)として測定される。
得られた反射係数対周波数の測定結果を逆フーリエ変換することにより、時間に対する振幅特性が得られるので、その振幅のピーク位置から、ケーブル内の信号の伝搬速度がわかっていれば、劣化箇所の位置(ケーブル端からの距離)を特定できる。これがDTF測定である。
DTFについては、以下を参照