balun(バラン)

平衡デバイス測定に関する翻訳で、balun(バラン)という言葉がよく出てくる(例えば、マルチポート・デバイスおよび平衡デバイスの測定についてのp7)。

balun(バラン)は、BALanced to UNbalanced converter(平衡-不平衡変換器)を省略した用語で、平衡伝送(差動伝送とも呼ばれる)を不平衡伝送(シングルエンド伝送とも呼ばれる)に変換するために使用される。地上波デジタルTV放送への移行により、最近では見かけなくなったが、300Ωの平行フィーダー線(平衡伝送路)のアンテナ線を75Ωの同軸線(不平衡伝送路)に変換するアダプタにバランが入っている(例えば、これ)。また、測定器のテストポートは通常はシングルエンドポートなので、平衡デバイス(差動フィルタ、差動増幅器、平衡伝送線路など)を測定する際にバランを用いて差動信号をシングルエンド信号に変換して測定を行う場合がある。

バランの動作原理については、以下を参照

無線工学の基礎(1アマの無線工学) > 平成15年 08月期 > HH0301 平衡型アンテナを不平衡型給電線に接続した場合に起こる現象と対策 > H150821

平衡デバイスの測定については、以下を参照

差動デバイスの高度な測定とモデリング

けやきひろば春のビール祭り2015 シーズン1

IMAG0206毎度おなじみビール好きの聖地「けやきひろば春のビール祭り」に足を運びました。今回から2週に別れての2シーズン制の開催となりました。

ピーカンの麦酒日和というよりも、時おり小雨がぱらつくような天気だったこともあり、去年の足の踏み場もないようなひどい混雑にはいたらず、そこそこ快適に楽しむことができたと思います。

木曜日からはシーズン2が始まります。出店の入れ替わりもありますので、またまた予習して作戦を練りたと思います。

それでは、シーズン2の会場でお会いしましょう。

floating measurement(フローティング測定)

オシロスコープ測定に関する翻訳で、floating measurement(フローティング測定)という言葉がよく出てくる(例えば、オシロスコープ用プローブおよびアクセサリのp3)。

フローティング測定とは、グランドに接続されていない(グランド電位にない)任意の2つのポイント間の電圧差を測定することである。

標準的なAC電源で動作するオシロスコープのシャーシ・グランドは、AC電源ゴードのアース線を経由してアース・グランドに接続されている。また、オシロスコープのプローブにもグランド・リードがあり、通常は、それを被測定回路のグランド(このグランドもAC電源ゴードのアース線経由でアース・グランドに接続されている)に接続した後、任意のテスト・ポイントにプローブの先端を当てて、そのポイントの(グランドに対する)電圧を測定する。このようにすることにより、共通で安全なグランド電位を基準にした測定ができる。

しかし、AC電源で動作するオシロスコープでフローティング測定を行うと(すなわち、プローブのグランド・リードを被測定回路のグランド電位にないポイント(グランドから浮いたポイント、フローティング・ポイント)に接続して測定を行うと)、プローブのグランド・リード、オシロスコープのシャーシ・グランド、アース・グランドを経由して、被測定回路内のグランド電位にないポイントが、被測定回路のグランドとつながってしまう(短絡してしまう)ので、グランド・リードが焼き切れたり、被測定回路が損傷する。

これを避けるために、オシロスコープでフローティング測定を行う場合は、差動プローブが使用される。

フローティング測定については、以下を参照。

より良いオシロスコープ・プロービングのための8つのヒントのp8の「ヒント5 差動プローブを使った安全なフローティング測定の実行」

プロービングで失敗しないためのオシロスコープ応用講座第6回 注意しないと命にかかわるぞ!! – 高電圧プローブ