bit/s/Hz(ビット/s/Hz)

無線通信測定に関する翻訳で、bit/s/Hz(ビット/s/Hz)という単位が出てくる。これは、帯域幅1 Hz当たりの情報伝送速度(ビット/s)で、「周波数利用効率」とか「帯域幅効率」とか「スペクトラム効率」と呼ばれている。LTE-Advancedでは、8×8アンテナ構成で30 ビット/s/Hz(ダウンリンク)を目標にしている(参考:LTE-Advancedの概要のp10の表3)。

シャノンの通信路容量の定理(C=B log(1+S/N)、C:情報伝送速度(ビット/s)、B:帯域幅(Hz)、S/N:信号対雑音比、参考:情報理論とサンプリングの基礎)から、スペクトラム効率の理論限界C/B(ビット/s/Hz)が決まるが、MIMO(マルチ入力マルチ出力)と呼ばれる受信と送信に複数のアンテナを使用する手法により、スペクトラム効率の理論限界がM・C/B(M:M(送信アンテナの個数)×M(受信アンテナの個数))に向上する。身近な例では、MIMOは無線LANにも使用されている。

向日葵

もう向日葵(ひまわり)の季節なんですね。向日葵は太陽に向かって咲くわけですが、桜は人間を喜ばすために下向きに咲くように神様が仕込んだんだと教わりました。誰に?って?
二十歳の頃、新宿で統一教会の勧誘に引っかかり、半年くらいまじめに通って勉強する羽目になったんですが、そこで聞いた話です。今思えば都合のいい解釈ばかり聞かされたような気がしますが、東大卒の頭のいい原理研の連中は理詰めで責めてくるのでなかなか反論ができませんでした。そんな苦い思い出はどーでもいいんですが、写真に写ってるピンクの花ってなんていうのかな?とってもいい香りがします。

[追記] Y.T.さんから「ユリだよー」って教えてもらいました。

Carrier Aggregation(キャリア・アグリゲーション)

無線通信測定(LTE-Advancedなど)に関する翻訳で、Carrier Aggregation(キャリア・アグリゲーション)という言葉が最近よく出てくる。

Carrierとは、無線通信に使用される搬送波のことで、伝送したい情報(音声とかデジタル・データ)をのせて電波で運ぶための信号である。この信号に情報をのせるための操作は変調と呼ばれる(参考:変調のいろいろ~電波に情報をのせる手法の概観~)。Aggregationの動詞aggregateには、「集める、統合する」という意味があり、Carrier Aggregationで「搬送波を集めて統合する」という意味である。

モバイル通信におけるビデオ伝送などの情報伝送量の急激な増加に伴い、情報を伝送するための帯域幅を広くする必要が生じてきた(大量の情報を伝送するためには、搬送波を複雑な変調方式で変調して情報伝送速度を上げる必要があり、占有帯域幅も増加する。参考:通信システムのディジタル変調入門編)。しかし、法律上許可された通信周波数領域のバンド(帯域幅)が狭く、そのバンドを多数のユーザが使用するので、ビデオなどの大量の情報を伝送するための帯域幅が足りなくなる。これを解決するために、同じ許可された通信周波数領域の異なるキャリア(ユーザが使用していないキャリア)を統合したり、異なる許可された通信周波数領域のキャリアを統合して、広い帯域幅を確保する手法を、Carrier Aggregation(キャリア・アグリゲーション)と呼んでいる。