無線通信測定に関する翻訳で、bit/s/Hz(ビット/s/Hz)という単位が出てくる。これは、帯域幅1 Hz当たりの情報伝送速度(ビット/s)で、「周波数利用効率」とか「帯域幅効率」とか「スペクトラム効率」と呼ばれている。LTE-Advancedでは、8×8アンテナ構成で30 ビット/s/Hz(ダウンリンク)を目標にしている(参考:LTE-Advancedの概要のp10の表3)。
シャノンの通信路容量の定理(C=B log(1+S/N)、C:情報伝送速度(ビット/s)、B:帯域幅(Hz)、S/N:信号対雑音比、参考:情報理論とサンプリングの基礎)から、スペクトラム効率の理論限界C/B(ビット/s/Hz)が決まるが、MIMO(マルチ入力マルチ出力)と呼ばれる受信と送信に複数のアンテナを使用する手法により、スペクトラム効率の理論限界がM・C/B(M:M(送信アンテナの個数)×M(受信アンテナの個数))に向上する。身近な例では、MIMOは無線LANにも使用されている。