Cyclic Prefix(巡回プレフィックス)

LTE測定に関する翻訳で、Cyclic Prefix(巡回プレフィックス)という言葉がよく出てくる(例えば、Agilent 89600 ベクトル信号解析ソフトウェア オプションBHD 3GPP LTE変調解析のp7)。Cyclic Prefixは、「サイクリック・プレフィックス」とそのままカタカナで訳されることもある。

LTEや地上波デジタルTV放送や無線LANなどでは、高速デジタル信号を高い周波数利用効率で伝送するために、OFDM(直交周波数分割多重化)を用いて、低速のシンボル・レートの多数のサブキャリアで並列伝送する。各サブキャリアのシンボル・レートが低速になるので、マルチパス干渉(反射波(遅延波)による干渉)に強くなっている。さらにマルチパス干渉への耐性を強めるために、OFDMシンボルの後半部分のコピーを先頭に付加して、巡回プレフィックスと呼ばれるガード・インターバルを設けて、シンボル間干渉やサブキャリア間干渉の影響を除去できるようになっている。

巡回プレフィックス(ガード・インターバル)については、以下を参照
ガードインターバルを使う理由
OFDMの基礎と応用技術

Multiplexing technology(多重化技術)

電気通信とコンピューターネットワーク技術はますます高度に複雑化してきており、伝送路をどう有効に活用するかがカギとなっている。ローカライザーにとって、技術的知識と語学力は不可欠である。

モバイル機器が手放せない社会。誰もが耳にしたことのあるパケット通信やイーサネットでは、Statistical multiplexing(統計多重化)技術が活かされている。衛星通信では、電気信号の周波数帯を情報ごとに割当てる周波数分割多重化が用いられている。

ここでざっと、主な多重化技術の種類を挙げると、周波数分割多重化 (Frequency Division Multiplex=FDM)、時分割多重化 (Time Division Multiplex=TDM)、符号分割多重化 (Code Division Multiplex=CDM)、空間分割多重化 (Space Division Multiplex=SDM)、波長分割多重化 (Wavelength Division Multiplex=WDM)、偏波分割多重化 (Polarization Division Multiplex=PDM)などがある。

これらの種類は分岐して、さらに進化した技術が生み出されてきているが、このサイトで追々説明していくこととしよう。

Risk premium(リスクプレミアム)

またまた怒られそうだが、カタカナ表記の訳語です。
※カタカナ表記だからこそ、その使用にあたっては意味をしっかりと理解しておきたい。

この言葉は、投資関連のドキュメントなどによく出てくるが、意味は文字どおり、リスク(risk)分への対価(希少価値=付加価値=上乗せ収益=premium)のこと。投資にはリスクが付きもの。リスクの大小によって見返りも違ってくる。

投資に対する収益性を「期待収益率」とか「期待リターン」と単に呼称している場合は、その中に「リスクプレミアム」も含まれていると考えるべき。”期待”という言葉を使うと誤解を招くもとともなるので、risk premiumと出てきたら”リスク”を明確に表記した方がいい。