electronic load(電子負荷)

電源測定に関する翻訳に、electronic load(電子負荷)という言葉がよく出てくる(例えば、太陽電池セル/モジュールのI-V 曲線の特性評価のp2)。

電源や電池の出力特性や寿命を評価には、その出力に負荷をつないで電流を流す(シンクする)必要がある。しかし、一般に負荷に流れる電流は時々刻々と変化する(例えば、PCのATX電源では、ソフトを起動したり、DVDドライブを使用すると、PCに流れる(シンクされる)電流が変化する)。これをシミュレートして電源や電池の出力特性を評価するために、負荷として可変抵抗を用いて手動でシンク電流を変化させるのは、面倒であったり、大電力に耐えられないことが多い。そこで、可変抵抗の代わりにトランジスタなどの半導体を用いて、流れる(シンクする)電流を自由に制御できるようにした、電子負荷が使用される。

電子負荷の原理についての簡単な説明は、以下を参照。

電子負荷装置

jitter tolerance(ジッタ耐力)

ビット・エラー・レート・テストに関する翻訳に、jitter tolerance(ジッタ耐力)という言葉がよく出てくる(例えば、Agilent J-BERT N4903B 高性能シリアルBERT)。jitter toleranceは、「ジッタ・トレランス」とも訳される。

jitter tolerance(ジッタ耐力)は、SONET/SDH(光ファイバーを用いた高速デジタル伝送方式の国際規格)の仕様で最初に用いられたが、最近ではUSB3.0、PCI Express、シリアルATA、HDMIなどの高速シリアル伝送規格でも重要な測定項目になっている。ジッタ耐力とは、どれだけのジッタに受信側が耐えられるか(受信側でのビット・エラー・レートが一定値(例えば、10の-12乗)以下になるか)を確認する測定である。通常、ジッタの大きさや周波数、ジッタの成分(種類)を変化させながら、受信側でのビット・エラー・レートを測定する。

ジッタ耐力については、以下を参照。

高速シリアル通信におけるジッタの基礎と測定手法の概要のp10

村田製作所の投稿記事「USB3.0に対応したノイズ対策」の「Jitter Tolerance試験におけるマージン向上]

最後の「詰め」

アクセス制限の掛かったwebサイトを利用する際には、ユーザ名とパスワードの入力が必要になります。流れとしては次のような感じになるかと思います。

  1. 制限付きサイトにアクセス
  2. ユーザ名とパスワードの入力を求めるダイアログが表示される
  3. ユーザ名とパスワードを入力する
  4. 認証ダイアログが閉じられる
  5. ブラウザにサイトが表示される

しかし、Windows 7+Internet Explorer 10の環境では、ステップ5のブラウザにサイトが表示される段階で、他のウインドウにフォーカスが移ってしまう現象が発生します。サイト自体は表示されますが、IEのウインドウが非アクティブとなり、他のウインドウが表示されるため不便で仕方ありません。

先ほど、この件についてどうにかならないものかと相談を受け、初めてこの現象について知りました。さっそく調べてみたところ、MSとしては問題として認識しているようですが、未だ解決策はないようです。原因と解決方法をKBから引用します。

原因

この現象は、デスクトップ用 Internet Explorer 10 で認証ダイアログを閉じる際の、ウィンドウ位置/順序の制御の不具合に起因して発生します。

解決方法

この現象は、ウィンドウの位置/順序の問題であり、問題が発生しても表示されている Web ページの動作に影響はありません。認証ダイアログを閉じた後に、後ろに表示された Internet Explorer のウィンドウを再び前面に表示して操作を行うことができます。

解決方法を意訳してみると「こまけぇことは気にすんな!」といったところでしょうか。

しかし、毎日認証が必要なサイトにアクセスするユーザはどうでしょう? 「Web ページの動作に影響はありません」と簡単に切り捨てられてはたまりません。MSにとっては些末なバグかもしれませんが、これを疎かにすることはユーザエクスペリエンスを疎かにしているのと同じではないかと思います。

バグ処理の優先度など、リソースを割けなかった理由は様々かもしれません。そして残ってしまった最後の「詰め」。これを他山の石とせず、自戒を込めてここにメモしておこうと思います。