surface resistivity(表面抵抗率)

抵抗率測定に関する翻訳に、surface resistivity(表面抵抗率)という言葉がよく出てくる(例えば、B2985A/87Aによる絶縁材料の抵抗率測定)。

材料の電気の流れ難さを表わす指標として抵抗R(Ω)がよく用いられる。抵抗Rは、材料の両端に電圧V(V)を印加して、その材料を流れる電流I(A)を測定することにより、オームの法則から、

R=V/I (1)

として求める。しかし、材料が同じでも形状(断面積や長さ)が異なると、抵抗の値も異なるので、材料の形状に依存しない電気の流れ難さを表わす指標として抵抗率ρが用いられる。抵抗Rは、断面積A(m^2)に反比例し、長さL(m)に比例するので、

R=ρ(L/A) (2)

と書け、その比例係数ρが抵抗率である。(1)式と(2)式から、

ρ=(V/I)(A/L)

なので、電圧、電流、断面積、長さを測定することにより抵抗率ρが求められ、材料固有の値になる。ρの単位は、上の式からΩmであり、単位断面積と単位長さにノーマライズ(規格化)した抵抗を表している。このことから、ρは体積抵抗率とも呼ばれる。

ここで、断面積Aを材料の幅Wと厚さtを用いてA=Wtと表わすと、(2)式は、

R=ρ(L/Wt)=(ρ/t)(L/W)

と書ける。この式のρ/tが表面抵抗率ρ_sである。ρ_sは、概念的には無限に薄い正方形のシートの2つの向かい合う辺に電極を付けてその抵抗を測定したものである。単位は抵抗と同じΩであるが、オームの法則の抵抗Rと区別するためにΩ/□またはΩ/sq(ohms per square)と表記される場合もある。表面抵抗率が100Ω/□の正方形のシートは、正方形の大きさに関係なく、2つの向かい合う辺間の抵抗は100Ωである。

実際の表面抵抗率の測定は、Van der Pauw(ファンデアポウ)の方法が有名である。

表面抵抗率については、以下を参照。

ナプソン株式会社のホームページ > 技術紹介 > 電気抵抗測定の3つの基礎知識

Van der Pauw(ファンデアポウ)の方法については、

Van der Pauw Measurements(英語ページ)

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