cognitive radio(コグニティブ無線)

無線通信測定に関する翻訳に、cognitive radio(コグニティブ無線)という言葉がよく出てくる(例えば、リアルタイム・スペクトラム・アナライザ(RTSA)Xシリーズ シグナル・アナライザのp8)。

近年、無線LANLTEWiMAXなどのさまざまな無線通信システムが普及し、映像などの大容量コンテンツを用いたサービスが増えるにしたがって、無線通信のデータトラフィック量も急増している。大量のデータを伝送するには、広い周波数帯域幅が必要になる。これまで、限られた周波数帯域幅で効率よくデータ伝送を行なうために、OFDM(直交周波数分割多重化)などの複雑な変調方式、MIMOなどの複数のアンテナを用いる空間多重化等、さまざまな技術が実用化されているが、周波数資源には限りがあり、その枯渇が問題になっている。このような状況で周波数資源を効率的に利用する方法の1つとして、コグニティブ無線が注目されている。

さまざまな無線通信システムへの周波数の割り当てが逼迫している状況ではあるが、実際には、24時間、すべての場所(空間)で、すべての周波数帯域が利用されている訳ではない。時間、空間、帯域内の利用されていないところを検出(認識)して、有効活用する手法がコグニティブ無線であり、 コグニティブ(cognitive、認知的な)という名前の由来になっている。

コグニティブ無線は、ヘテロジニアス型と周波数共用型の2つに大きく分けられる。ヘテロジニアス型は、既存の異なる通信システム(例えば、無線LAN、LTE、WiMAXなど)から、無線利用環境(電波の品質や利用率など)を検出して最適なシステムを自動選択するものである。周波数共用型は、免許が割り当てられている既存の通信システムの帯域内で、場所や時間的に使用されていない部分(ホワイトスペースと呼ばれる)を検出して利用するものである。

コグニティブ無線については、以下を参照。

国立研究開発法人 情報通信研究機構のホームページ > 資料・データ > 出版物・発行書籍 > 情報通信の未来をつくる研究者たち > 電波をフレキシブルに利用するコグニティブ無線システム

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