differential nonlinearity(微分非直線性)

AD変換に関する翻訳で、differential nonlinearity(微分非直線性)という言葉がよく出てくる(例えば、高分解能オシロスコープの評価のp4)。

differential nonlinearity(微分非直線性)は、DNLと略されることもある。また、微分非線形性と訳されることもある。

AD(アナログ-デジタル)変換器の相対誤差には、量子化誤差、オフセット誤差、利得誤差、非直線性誤差がある。量子化誤差は、アナログ信号(連続値)をデジタル信号(離散ステップ値)で近似することにより生じる原理的な誤差である。オフセット誤差は、出力信号がゼロとなる入力信号の値(理想的にはゼロ、すなわち、オフセット誤差がゼロであればゼロ)である。利得誤差は、入力信号と出力信号の関係を表す直線の傾き(比例定数)の理想値からのズレである(理想的には入力信号と出力信号は傾き(比例定数)が1の比例関係にある)。非直線性誤差は、オフセット誤差と利得誤差を補正した後に残る、入力信号(連続値)と出力信号(離散ステップ値)の理想的な直線関係における部分的なズレである。非直線性誤差は、微分非直線性と積分非直線性(integral nonlinearity、INL)で評価される。

微分非直線性(DNL)は、入力信号の微小範囲に対する、出力信号の理想的なステップ変化(AD変換器の量子化単位(1LSB)、12ビットなら1/2^12)からのズレで、LSB単位で表される。積分非直線性(INL)は、入力信号と出力信号の関係を全体に見たみたときの最大のズレで、フルスケールに対する%で表される。

AD変換の誤差については、以下を参照。

センサから始まるシグナルパス(2) 最適なA-D変換器の選択方法

23. A/Dコンバータ(ADC) の23.6.3 ADC変換精度に関する用語定義

コメントは受け付けていません。