LIDAR(ライダー)

デジタイザに関する翻訳で、LIDAR(ライダー)という言葉がよく出てくる(例えば、Keysight U5303A PCIe高速デジタイザ、オンボードプロセッシング搭載のp2)。

LIDARは、RADAR(RAdio Detecting And Ranging、電波探知および測距)のRAdio(電波)をLIght(光)に置き換えた、LIght Detecting And Ranging(光探知および測距)の略で、レーザー光線を使用して周囲の物体の方向や距離を測定する装置である。レーザー光線を用いるので、LIDARはレーザー・レーダーと呼ばれることもある。

電波も光も同じ電磁波であるが、レーダーに用いられる電波の波長は3 mm~3 m程度(周波数にして0.1 MHz~100 GHz)で、ライダーに用いられる半導体レーザーの波長は可視光領域(波長:400 nm程度)~近赤外線領域(波長:1 μm程度)である。一般に、用いる電磁波の波長より小さな物体の検出感度は低下するので、レーダーよりもライダーの方がはるかに小さな物体を検出でき、高分解能画像が得られる。

このことから、ライダーは、PM2.5(直径2.5 μm以下の炭素成分、硝酸塩、硫酸塩、アンモニウム塩などからなる粒子状物質で、健康に害を及ぼすとされている)などの粒子状物質の観測に用いられたり、航空機に搭載して地形の測量などに利用されている。また、最近では、自動運転カーに搭載するセンサとして開発が進められている。

ライダーについては、以下を参照。

日本気象学会のホームページ > 情報交換 教育と普及活動 > 夏期大学 > これまで(第40回以降)の夏季大学のテーマ 第44回 2010年8月7・8日 気象観測技術の最前線 > ライダーネットワークでエアロゾルの三次元的な動態を捉える

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