オシロスコープのプローブに関する翻訳で、common mode rejection ratio(コモン・モード除去比)という言葉がよく出てくる(例えば、より良いオシロスコープ・プロービングのための8つのヒントのp8)。コモン・モード除去比は、common mode rejection ratioの頭文字をとってCMRRと略されることもある。
差動増幅器やデジタル・マルチメータやオシロスコープの2つの入力(+と-、HiとLo)に共通に加わる(同じ位相で重畳される)ノイズは、コモン・モード・ノイズと呼ばれる。このノイズに起因する出力信号の誤差がどの程度小さいか(どの程度除去できるか)を表す指標がコモン・モード除去比である。コモン・モード・ノイズ電圧をEn、コモン・モード・ノイズに起因する出力(測定)電圧誤差を⊿Eoutとすると、CMRR = 20 log(En/⊿Eout)で表され、CMRRが大きほどコモン・モード・ノイズによる影響を受けにくい。また、ノイズが同じ位相で重畳されることから、コモン・モード除去比は同相信号除去比と呼ばれることもある。
差動増幅器やデジタル・マルチメータやオシロスコープの2つの入力(+と-、HiとLo)に対して逆向きに流れるノイズは、ノーマル・モード・ノイズと呼ばれる。伝送したい信号もノーマル・モードなので、一般にこのノイズの除去は困難である。
コモン・モード・ノイズとノーマル・モード・ノイズについては、以下を参照。
慶應義塾大学 環境共生・安全システムデザイン教育研究センターの牧野泰才氏のページのノイズと計装アンプ
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