InfiniBand(インフィニバンド)

高速デジタル測定に関する翻訳で、InfiniBandという言葉が出てくる(例えば、InfiniBand 用テスト・ツール)。

InfiniBandの歴史は結構古く、コンピュータ・システムのCPUやメモリの高速化に伴い、IOサブ・システムとのデータ伝送速度のボトルネックを解消するために、1999年にIntel社を中心に標準化が推進されてきた。しかし、PCI-Xやギガビット・イーサネットの普及により、2002年にIntel社が市場から撤退し一時下火になっていたが、2012年に再びIntel社がQLogic社のInfiniBandの資産を買収した。現在は、データ・センタやスーパーコンピュータなどのHPC(High Performance Computing)クラスタのノード間通信に、低レイテンシのInfiniBandが利用されている。新聞でも時々話題になるTOP 500 Supercomputingの2011年のランキングでは、42%がInfiniBandを採用し、ギガビット・イーサネットの48%に迫っているらしい。

InfiniBandについては、以下を参照。
InfiniBand探検隊リターンズ【前編】~2012年現在も進化を続けるInfiniBandの最新状況
InfiniBandで変わるデータセンター内通信(前編)

eNB

LTEに関する測定の翻訳で、eNBという言葉がよく出てくる(例えば、LTE の動作と測定におけるMIMO:LTE テストの概要)。

eNBはevolved Node Bの略で、LTEの基地局のことであり、eNodeBと略されることもある。W-CDMAの基地局はNodeBと呼ばれる。NodeBでは、ソフトハンドオーバ(無線端末がセル間を移動する際に基地局を切り替えるときに通話の瞬断が生じないように、最大3つの基地局と通信しながらハンドオーバを行う)をサポートするために上位局のRNC(Radio Network Controller)の制御下で動作するのに対して、eNodeBでは、RNCの機能が基地局とコアに分散され、シンプルで低コストなネットワーク構成を実現できる。

eNBについては、@IT次世代の無線技術、LTEの仕組みが分かる知られざるLTEのネットワーク構成 連載:次世代の無線技術、LTEの仕組みが分かる(2)を参照。

aggressor(アグレッサー)

高速デジタル信号測定に関する翻訳で、aggressor(アグレッサ)という言葉がよく出てくる(例えば、N4965AマルチチャネルBERT 12.5 Gb/sのp2に「真のクロストーク評価のためのアグレッサー信号の遅延掃引機能」という記述がある)。

上述のように、「クロストーク」という言葉に関連して「アグレッサー」という言葉が出てくる。クロストークとは、信号が伝送線路を伝わるときに発生する電磁界が、隣接する伝送線路と結合(容量性結合や誘導性結合がある)して、影響を与える現象である。このとき、影響を与える側をアグレッサーと呼び、影響を受ける側をビクティム(victim)と呼ぶ。元々、クロストークは漏話と呼ばれるように電話回線で問題になった現象であるが、最近の高速デジタル回路の高速化、高密度化に伴い、クロストーク解析が極めて重要になっている。

クロストークについては、株式会社エルセナの高速伝送設計者必見!スペシャリストコラム第8回 クロストーク入門を参照。