InterRAT handover(InterRATハンドオーバ)

携帯電話などのモバイル・デバイスの測定に関する翻訳に、InterRAT handover(InterRATハンドオーバ)という言葉がよく出てくる(例えば、Agilent N5973A Verizon Wirelssコンプライアンス・テスト・プラン用IFTオートメーション・スクリプトのp2)。

RATは、Radio Access Technology(無線アクセス・テクノロジー)の略で、LTEや3G(W-CDMA などの第3世代携帯電話)などのモバイル通信回線のことである。ハンドオーバとは、通常は、同一のRATのあるセルから別のセルにモバイル端末が移動して、基地局を切り替える際に、通信回線が途切れないようにする仕組みである。これは、同一のRAT内でのハンドオーバなので、IntraRATハンドオーバとも呼ばれる。対して、InterRATハンドオーバとは、異なるRAT間でのハンドオーバ(例えば、LTE回線から3G回線へのハンドオーバ)である。

ハンドオーバについては、以下を参照。

ケータイWatchのケータイ用語の基礎知識の第68回:ハンドオーバーとは

DigRF

携帯電話の測定に関する翻訳に、DigRFという言葉がよく出てくる(例えば、Agilent RDX テスト・ソリューション DigRF v3/v4 用)。DigRFは、Digital Radio Frequency(デジタル無線周波数)の略である。

DigRFとは、モバイル無線機のRFICとベースバンドIC間のインタフェースの規格で、MIPI (Mobile Industry Processor Interface)アライアンスのDigRFワーキンググループで定義されている。最新のDigRF v4は、LTE やWiMAXなどの規格用のインタフェースである。従来は、ベースバンドIC とRFIC間の通信リンクはアナログであり、ベースバンドICで作成されたアナログ変調信号をスペクトラム・アナライザを使用して測定していた。DigRFインタフェースでは、動画などの大きなデータを高速かつ効率的に伝送するためにベースバンドIC とRFIC間の通信リンクが高速デジタル・シリアル信号になり、ベースバンドICの機能を検証ためにDigRFデジタル・シリアル信号の生成/解析ツールが必要になる。

DigRFについては、以下を参照。

DigRF(SM) Specifications MIPI Alliance(英語)

electronic load(電子負荷)

電源測定に関する翻訳に、electronic load(電子負荷)という言葉がよく出てくる(例えば、太陽電池セル/モジュールのI-V 曲線の特性評価のp2)。

電源や電池の出力特性や寿命を評価には、その出力に負荷をつないで電流を流す(シンクする)必要がある。しかし、一般に負荷に流れる電流は時々刻々と変化する(例えば、PCのATX電源では、ソフトを起動したり、DVDドライブを使用すると、PCに流れる(シンクされる)電流が変化する)。これをシミュレートして電源や電池の出力特性を評価するために、負荷として可変抵抗を用いて手動でシンク電流を変化させるのは、面倒であったり、大電力に耐えられないことが多い。そこで、可変抵抗の代わりにトランジスタなどの半導体を用いて、流れる(シンクする)電流を自由に制御できるようにした、電子負荷が使用される。

電子負荷の原理についての簡単な説明は、以下を参照。

電子負荷装置