boxcar-averaging(ボックスカー・アベレージング)

オシロスコープ測定に関する翻訳で、boxcar-averaging(ボックスカー・アベレージング)という言葉が出てくる(例えば、高分解能オシロスコープの評価のp3)。

ボックスカー・アベレージングは、時間軸上で、比較的低い周波数の信号成分に高周波のノイズが重畳してる場合に、そのノイズ成分を除去するために用いられる平均化手法であり、移動平均と呼ばれることもある。boxcarとは有蓋貨車という意味であり、時間軸上の信号に対して平均演算を行う区間が移動するありさま(移動平均)が、有蓋貨車がレールを走るのを横から見るのと同様であることが、ボックスカー・アベレージングという名前の由来である。

移動平均については、以下を参照

FIR filter(FIRフィルタ)

GCF/PTCRB

LTE測定に関する翻訳に、GCF/PTCRBという言葉がよく出てくる(例えば、Agilent T4010S LTE RFコンフォーマンス・テスト・システム)。GCFは、Global Certification Forum の略で、PTCRBは、PCS(Personal Communications Service) Type Certification Review Boardの略である。

GCFは、携帯電話、スマートフォン、タブレットPCなどのセルラ・ネットワークを利用する携帯端末のグローバルな相互接続性(世界中で利用できる)を保証するための、認証試験項目を定めている団体で、主に、ヨーロッパとアジアの通信事業者が参加している。PTCRBも、同様の団体であるが、主に北米の通信事業者が参加している。

GCF/PTCRBについては、以下を参照。

NTTdocomoのホームページ>企業・IR情報>技術情報>NTT DOCOMO R&D(研究開発)>ドコモR&D(研究開発)の広報誌 テクニカル・ジャーナル>バックナンバーVOL.16 NO.3ドコモのGlobal Certification Forumへの取組み

Global Certification Forum(英語サイト)

PTCRB(英語サイト)

ISM band(ISMバンド)

無線通信測定に関する翻訳に、ISM band(ISMバンド)という言葉がよく出てくる(例えば、無線測定のためのリアルタイム解析手法のp5の図1)。ISMは、Industrial, Scientific and Medicalの略で、ISMバンドは産業、科学、医療用機器(電子レンジ、医療用温熱装置、マイクロ波乾燥機など)に割り当てられた周波数帯域のことであり、免許不要で使用できる。

日本では、ISMバンドとして、2.4GHz帯や5GHz帯などがある。特に、2.4GHz帯は、ISM機器以外に、コードレス電話、無線LANBluetoothZigBeeなどの小電力データ通信システムにも利用されている。このように、さまざまな機器がこの周波数帯を利用しているので、干渉しやすく、通信が不安定になる。このような干渉の問題を防ぐために、周波数ホッピングやスペクトラム拡散などの技術が使用されている。

日本における電波の使用状況については、以下を参照。

総務省電波利用ホームページ > 電波監理の概要 > 周波数割当て・公開 > 周波数の公開 > 我が国の電波の使用状況 > 使用状況の詳細(平成25年10月現在)一括ダウンロード (325KB)

2.4GHz帯の干渉の問題については、以下を参照。

干渉を起こさない2.4GHz帯ワイヤレス通信を実現する―ノイズ発生のメカニズムとDS-SSスペクトラム拡散方式による干渉の回避