Sパラメータ測定に関する翻訳で、Touchstone format(Touchstoneフォーマット)という言葉がよく出てくる(例えば、衛星性能の長時間リモートモニター Keysight 高周波USBパワーセンサのp7)。
Touchstoneは、1984年に設立されたEEsof社(現在は、Keysight社の事業部の1つでKeysight EEsof EDAと呼ばれる)が開発した高周波回路シミュレータの名前で、このシミュレータ用のSパラメータを保存するためのASCIIテキストファイルのフォーマットがTouchstoneフォーマットである。Touchstoneというシミュレータは無くなったが、nポートデバイスの特性を表わすパラメータをASCIIテキストファイルで保存するためのフォーマットとして、Touchstoneフォーマットが業界の事実上の標準になっている。
基本的なファイルフォーマットは、コメント行、オプション行(周波数の単位、パラメータの種類、パラメータのフォーマット、基準インピーダンスを記述)、データ行で構成されている。
現在では、IBIS Open ForumがTouchstone File Format Specification Version 2.0を作成している。
Touchstoneフォーマットについては、以下を参照。
SnP (Touchstone) File Format(英語ページ)