data valid window(データ有効ウィンドウ)

高速デジタル回路測定に関する翻訳で、data valid window(データ有効ウィンドウ)という言葉がよく出てくる(例えば、EZJIT/EZJIT Plusジッタ解析ソフトウェア(Infiniiumシリーズ・オシロスコープ用))。

CPU、FPGA、ASICなどの大規模集積回路のフラグやレジスタなどの記憶回路にフリップフロップ回路が使用されている。このフリップフロップがデータを正しく受け取って出力信号を生成できるようにするために、セットアップ/ホールド時間というタイミングの制約が定義されている。

セットアップ時間とは、フリップフロップにクロック信号が入る前にデータ信号が安定してなければならない時間(クロック信号のエッジ(立ち上がりまたは立ち下がり)より前で、入力データが変化してはならない最小時間)である。ホールド時間とは、フリップフロップにクロック信号が入った後でデータ信号が安定してなければならない時間(クロック信号のエッジより後で、入力データが変化してはならない最小時間)である。

したがって、データ有効ウィンドウとは、クロック信号の1周期(エッジから次のエッジまでの時間)からセットアップ時間とホールド時間を差し引いたものである。

フリップフロップの動作とセットアップ/ホールド時間については、以下を参照。

宮崎技術研究所の技術講座「電気と電子のお話」5.2.(3-G)順序回路の設計

セットアップ/ホールド時間が存在する理由については、以下を参照。

株式会社アルティマのホームページ > コラム一覧 > 非同期クロックと検証手法

データ有効ウィンドウの詳細については、以下を参照。

Setup and hold checks (part 1)- Static timing analysis in case of flops(英語サイト)

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