無線通信測定に関する翻訳に、ZigBeeという言葉がよく出てくる(例えば、Agilent N4010A 無線コネクティビティ・テスト・セットによるIEEE 802.15.4/ZigBeeの測定)。Zigbeeという言葉は、ミツバチ(Bee)が蜜を求めてジグザグ(Zigzag)に飛び回って仲間に情報を伝えることから作られた造語である。
ZigBeeは、家庭、オフィス、工場などの防災、防犯や温度、照明の管理を目的に、さまざまな場所に分散したセンサやスイッチが、アクセスポイントを介さなくても複数の機器と通信/中継が可能なアドホックな(自律分散型)ネットワーク機能を持つようにデザインされた近距離無線通信技術である。Bluetoothや無線LANに比べて、通信速度は最大250kbpsと遅いが、低消費電力で導入コストが安く、電源オン操作(スリープ)からの復帰が非常に速く、同時接続数は、Bluetoothの最大7個や無線LANの最大32個に比べて、65,535個と非常に多いという特長がある。
また、ZigBee RF4CE(Radio Frequency for Consumer Electronics)という規格をパナソニックやソニーなどが策定している。テレビなどのAV機器の赤外線リモコンでは、その方向に向けたり、間に障害物がないことが必要だが、ZigBee RF4CEでは電波を利用して無指向性リモコンを実現できる。スリープからの復帰が非常に速いことから赤外線リモコンと同様の応答時間も実現でき、電池寿命も赤外線リモコンの10倍程度が期待されている。
Zigbeeについては、以下を参照。