計測に関する翻訳で、thermocouple(熱電対)という言葉が出てくる。熱電対は温度計測によく使用されるが、高周波のパワー測定に用いられるパワー・センサにも熱電対を使用するものがある。
熱電対とは、種類の異なる2つの金属線の両端を接合したものである。1本の金属線の両端に温度差を与えると、高温側の自由電子は低温側よりも大きなエネルギーを持つので、自由電子が高温側から低温側に移動する。その移動速度は金属の種類によって異なる。そこで、自由電子の移動速度が遅い金属線と速い金属線の両端を接合して熱電対を形成すると、自由電子の移動速度の差により電位差が生じ電流が流れ続ける。種類の異なる2つの金属線の組み合わせが決まれば、この電位差と温度差の関係が一意に決まる。この関係を利用して温度計測を行う。
熱電対の動作原理については、以下を参照
熱電対についての豆知識2
パワー・センサに用いられる熱電対については、以下を参照
パワー測定の基礎のp5-15~p5-17