パワー半導体測定に関する翻訳に、reverse transfer capacitance(逆伝達キャパシタンス)という言葉がよく出てくる(例えば、B1506A パワーデバイス・アナライザ 主要パラメータ自動測定装置のp2)。reverse transfer capacitanceは、逆伝達容量、帰還容量とも訳される。
逆伝達キャパシタンスとは、MOSFETではゲート-ドレイン間に存在する寄生キャパシタンス(バイポーラ・トランジスタではベース-コレクタ間の寄生キャパシタンス)のことである。この寄生キャパシタンスにより、出力から入力に信号が帰還される。
このような反転増幅器の入力(ゲート/ベース)と出力(ドレイン/コレクタ)の間にある帰還キャパシタンス(C)は、入力側から見ると、反転増幅器(FETまたはトランジスタ)の増幅率をAとして、等価的にC(1+A)のキャパシタンスが入力側でグランドに接続されたように見える。これは、発見者の名前からミラー効果と呼ばれ、逆伝達容量をミラー容量と呼ぶこともある。この容量により、反転増幅器の入力側にローパス・フィルタが形成され、信号の高周波成分が減衰し、高周波特性が悪化する。
ミラー容量については、以下を参照
Miller Effect(英語ページ)