EMI(電磁波障害)

ノイズ測定に関連する翻訳に、EMI(Electro-Magnetic Interference)という言葉がよく出てくる(例えば、EMIコンプライアンス測定)。Electro-Magnetic Interferenceは、電磁波障害(または、電磁波妨害、電磁妨害など)と訳される。

EMI(Electro-Magnetic Interference)と関連する用語として、EMS(Electro-Magnetic Susceptibility)という言葉があり、電磁感受性とか耐障害性と訳される。また、EMC(Electro-Magnetic Compatibility)という言葉もあり、電磁環境適合性とか電磁両立性と訳される。

似たような略語が3種類あって、ややこしいが、EMIというのは、電気/電子機器の動作に伴い発生した電磁波が、他の機器の動作を妨害する(他の機器の動作に障害を与える)ことである。これに対して、EMSは、雷や太陽活動などの自然現象や他の電気/電子機器の動作に伴い発生した電磁波(EMI)が存在しても、動作障害が起こり難いこと(妨害電磁波を感受(受け止めることが)できること)を表す。これを踏まえると、EMCのCompatibility(両立性)の意味がわかる。すなわち、電気/電子機器が、他の機器の動作を妨害する電磁波(EMI)を発生しないことと、他の機器からの電磁妨害を受けても動作障害を起こさないこと(EMS)が両立することである。

EMI、EMS、EMCについては、以下を参照。

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Software Defined Radio(ソフトウェア定義無線)

無線通信計測関係の翻訳に、Software Defined Radio(ソフトウェア定義無線、ソフトウェア無線)という言葉がよく出てくる(例えば、デザインとテストの統合による検証の高速化のp10)。Software Defined Radioは、略してSDRと呼ばれることもある。

ソフトウェア(定義)無線は、1970年代に軍用無線として米国で研究が始められた技術で、1990年代の冷戦終結とともに、米国の通信メーカが活路を見出すために、民生用への技術転用が進められた。ソフトウェア(定義)無線とは、無線機におけるデジタル信号処理部の比率を高めたもので、デジタル信号処理ソフトウェアを書き換えるだけでさまざまな無線方式に対応できるものである。すなわち、ハードウェアを変更しなくても(無線方式ごとに複数のハードウェアを搭載しなくても)、無線端末の状況に応じて、プログラムをロードすることにより、LTE無線機にもGPS受信機にもBluetooth無線機にも無線LAN端末にもなれ、コスト削減が期待される。

実際には、デジタル信号処理部の消費電力が大きいとか、型式認定の問題などで、初歩的な実用化にとどまっている。

ソフトウェア(定義)無線については、以下を参照。

ソフトウェア無線

株式会社モバイルテクノの技術講座•ソフトウェア無線(SDR:Software Defined Radio)

Evolved Packet Core(EPC)

無線通信計測関係の翻訳に、、Evolved Packet Coreという言葉がよく出てくる(例えば、Agilent N5973A Verizon Wirelssコンプライアンス・テスト・プラン用IFTオートメーション・スクリプトのp3)。Evolved Packet Coreは、略してEPCと呼ばれることもある。

Evolved Packet Coreは、LTEの標準化とともに、移動通信システムのオールIPネットワークを実現するためのコア・ネットワーク(基幹回線網、バックボーン)として、3GPP Release 8で規格化された。第2世代(2G)のGSMや第3世代(3G)のW-CDMAなどの移動通信ネットワークでは、音声は回線交換方式、データはパケット交換方式で通信されるが、LTEでは、音声もVoIP(Voice over IP)としてパケット化され、オールIP(すべてパケット化された)ネットワークが実現された。

EPCは、LTEの収容のために規格化されたが、2G/3GのGSM、W-CDMA、CDMA2000や、WiMAX、Wi-Fiなどの各種無線アクセス・テクノロジーも収容でき、これらの無線アクセス・テクノロジー間のハンドオーバも可能である。

Evolved Packet Coreについては、以下を参照。

知られざるLTEのネットワーク構成

LTEを収容するコアネットワーク(EPC)を支える技術