5G(第5世代移動通信システム)

無線通信計測関係の翻訳に、5G(第5世代移動通信システム)という言葉が最近よく出てくる(例えば、5G空間電波伝搬特性(チャネルサウンディング)の測定手法)。

移動通信システムは、第1世代(アナログ方式の自動車/携帯電話)、第2世代(PDCやGSM方式のデジタル携帯電話、データレート:数kbps)、第3世代(W-CDMAやCDMA2000方式の携帯電話、データレート:384 kbps)、第3.5世代(HSPAやEV-DO、データレート:14 Mbps)、第3.9世代(LTE、データレート:100 Mbps)、第4世代(LTE-Advanced、データレート:最大1 Gbps)と進化してきた。

5G(第5世代移動通信システム)に対する要求として、4k、8k動画のストリーミングが可能になる高速通信性能、スタジアムでのイベントや災害時でも通信が可能になったり、IoTにも対応できる同時接続数の向上、通信トラフィックの爆発的な増加に対応できるシステム容量の拡大、遠隔医療や車両の自動運転に必要とされる低遅延かつ高信頼の通信、IoT通信が可能になる省電力化などがある。

このような5G(第5世代移動通信システム)に求められる性能は、4Gに対して、

10~100倍のデータレート(高速通信)
100倍の同時接続端末数
1000倍のシステム容量(単位面積当たりの総通信容量)
1 ms未満の低遅延
1/10の消費エネルギー

が必要と言われている。

これらの性能要件を1つの新しい画期的なテクノロジーで実現するのは難しいので、さまざまな既存の技術の改良(LTE/LTE-Advancedで使用されているOFDMの改良、MIMOの大規模化、利用されていないミリ波帯の利用など)が提案されている。

5Gについては、以下を参照

株式会社 日立システムズネットワークスのホームページ > IPよもやま話 > 第125回 「5Gって何?」の話
NTT docomoのホームページ > >企業・IR > 技術情報 ドコモ5Gホワイトペーパー > ドコモ5Gホワイトペーパー(PDF形式:1,169KB)

burst signal(バースト信号)

オシロスコープ測定に関する翻訳で、burst signal(バースト信号)という言葉がよく出てくる(例えば、InfiniiVision Xシリーズ 教育用オシロスコープ・トレーニング・キットのp4)。

burst(バースト)は、辞書を引くと「爆発する」とか「張り裂ける」という訳があるが、オシロスコープで信号を時間領域で表示したときに、時間領域のごく一部にのみ、信号(正弦波、方形波、三角波など)が存在し、それ以外の領域には信号が存在しないものをバースト信号と呼ぶ。また、信号が存在する領域と信号が存在しない領域が時間領域で繰り返される信号もバースト信号と呼ばれる(例えば、ここの「バースト波形の出力」の図)。すなわち、このような波形は、時間領域の一部にのみ信号のエネルギーが集中している(爆発している)ので、バースト波形(信号)と呼ばれる。

NISPOM

測定器でのセキュア(安全)なデータ消去に関する翻訳で、NISPOMという言葉がよく出てくる(例えば、IntegraVision PA2200シリーズ パワー・アナライザのp7)。NISPOMは、National Industrial Security Program Operating Manual(国家産業保全プログラム運用マニュアル)の略で、アメリカ国防総省と契約関係にある企業に対する機密情報の保全に関する規則が定められている。

HDDなどの記録媒体からデータのセキュアな消去(完全消去)を行うための規格として、NISPOM方式というものがある。この方式では、データ領域を、最初に固定値”0x00″で上書きし、次に”0x00″の補数である”0xFF”で上書きし、最後に乱数で上書きするという、合計3回の上書き操作が行われる。

最も強力なデータ消去方式として、35回の上書きを行うGUTMANN方式というものもあるが、これらの強力なデータ消去方式は1990年代の記録密度が低く、残留磁気が残りやすいHDDが使用されていた時期のもので、NIST(National Institute of Standards and Technology、アメリカ国立標準技術研究所)のSpecial Publication 800-88 (Guidelines for Media Sanitization)では、2001 年以降に製造された15GBを超えるHDDでは1回の上書きによる消去で十分としている。

セキュアなデータ消去については、以下を参照。

デジタル・フォレンジック研究会のホームページ > 研究会活動 > 書籍 > 「証拠保全先媒体のデータ抹消に関する報告書」 > データ抹消に関する米国文書(規格)及びHDD、SSD の技術解説(沼田 理)データ消去に関する海外規格の動向(瀧澤 和子)

A4WP

ワイヤレス給電の測定に関する翻訳に、A4WPという言葉が出てくる(例えば、オシロスコープによるA4WP(Alliance for Wireless Power)測定(パート1))。

電気製品を動かすためには、電力を供給する必要がある。通常、AC100Vのコンセントに電源ケーブル(電気を通すワイヤ)をつないで外部電源から電力を供給する(充電池を使用する場合も充電のために、外部電源にケーブルをつないで電力を供給する必要がある)。これに対して、ケーブル(ワイヤ)を使用しないで非接触で電力を伝送することをワイヤレス給電と呼ぶ(非接触給電、非接触電力伝送、ワイヤレス電力伝送とも呼ばれる)。1995年にソニーのICカードのFeliCaで実用化され、2000年以降、コードレス電話の子機、シェーバー、電動歯ブラシの充電用などで実用化されてきた。ワイヤレス給電には、給電のためにワイヤをつなぐための電極の露出がないので水などによる腐食が起こり難い、製品を密閉状態にできるので故障が起こり難いといった利点があり、製品開発の自由度や安全性が向上する。

ワイヤレス給電方式は、放射型(電磁波の遠方界(エネルギーが伝搬する領域)を利用する方式)と非放射型(電磁波の近傍界(エネルギーが蓄積される領域)を利用する方式)に大きく分けられる。放射型には、マイクロ波を使用して大規模宇宙太陽光発電所から地上に電力を伝送する構想がある。非放射型は、磁界結合方式(変圧器などで、1次(送電)側のコイルと2次(受電)側のコイルがつながっていなくても、電磁誘導により交流が流れることを利用)と電界結合方式(送電側と受電側がコンデンサ(絶縁層を挟んだ電極)で隔てれれていても交流が流れることを利用)に大きく分けられる。磁界結合方式は、電磁誘導型(通常の変圧器(密結合トランス)と同じ原理を利用したもので、送電側のコイルと受電側のコイルを接触するくらいに近づける必要がある)と磁界共振型(液晶ディスプレイのバックライトとしてLEDが普及する前に使用されていた冷陰極管を点灯させるために用いられる調相結合トランス(磁気漏れトランス、疎結合トランス、高周波共振変圧器とも呼ばれる)の原理と言われている。例えば、ここを参照)に分けられる。

電磁誘導型には、世界で200社以上が加盟しているWPC(Wireless Power Consortium)が推進しているQiという規格(日本で最も普及している)とIEEEやスターバックス、googleが加盟していることが特徴のPMA(Power Matters Alliance)が推進しているPowermatという規格がある。磁界共振型には、サムスンとクアルコムを中心に誕生したA4WP(Alliance for Wireless Power)が推進するRezenceという規格があった。PMAとA4WPは、2015年に統合され、AirFuel Allianceという団体になり、AirFuel Inductive(電磁誘導型)とAirFuel Resonant(磁界共振型)の2つの規格を推進している。

ワイヤレス給電については、以下を参照。

ワイヤレス給電の最新事情

ニコラテスラって素晴らしい > ワイヤレス電力伝送の原理説明

Cole-Cole plot(Cole-Coleプロット)

誘電率測定に関する翻訳に、Cole-Cole plot(Cole-Coleプロット)という言葉がよく出てくる(例えば、LCRメータおよびインピーダンス・アナライザを用いた誘電率/透磁率の測定ソリューションのp12)

誘電体にDC電圧(電界)を印加すると、誘電体内の電荷の分布に偏りが生じる(この現象を分極と呼ぶ)。分極には、電子分極、原子分極(イオン分極)、双極子分極(配向分極)がある。電子分極は、電界により原子の電子雲と原子核の相対位置が変化する(誘起双極子モーメントが生じる)ことによる分極である。原子分極は、電界によりイオン性結晶などで正に帯電した原子と負に帯電した原子の相対位置が変化することによる分極である。配向分極は、電界を印加していない状態では、永久双極子モーメントを持つ分子(水などの有極性分子)がブラウン運動によりランダムな方向を向いているのが、電界の印加により永久双極子モーメントがそろうことにより生じる分極である。

これらの分極は、静電界(DC電圧)をかけた場合は同時に現れるが、振動電界をかけた場合は、(電子や原子は分子に比べて軽く、周囲との相互作用が少ないので)電子分極や原子分極は振動数(周波数)が高くても振動電界に追随しやすく、誘電率(複素誘電率の実数部ε’と虚数部ε”)は高い周波数まで一定であり、原子分極では赤外領域に、電子分極では紫外線領域に共鳴が生じ、誘電率に共鳴型の分散(周波数による変化)が生じる。一方、配向分極では、周波数が低い場合は、振動電界に永久双極子モーメントが追随できるので誘電率は一定であるが、RFやマイクロ波周波数領域で追随できなくなり、誘電率(ε’)が低下し、誘電損失(ε”)がピークを示す。このε’の低下は、電界を印加した後、永久双極子モーメントがそろうまで少し時間がかかることに起因するもので、誘電緩和と呼ばれる。すなわち、配向分極は緩和時間τで特徴付けられる緩和型の分散を示す。

Cole-Coleプロットは、KENNETH S. COLEとROBERT H. COLEによる誘電緩和を表わす複素誘電率ε*の半経験式

ε*=ε’-iε”=ε_∞ + (ε_0-ε_∞)/(1+(iωτ)^(1-α)、ε’:ε*の実数部、ε”:ε”の虚数部、ε_∞:周波数が∞のときの誘電率、ε_0:周波数がゼロのときの誘電率、i:虚数記号、ω:周波数、α:0~1のパラメータ(α=0ときは誘電緩和に関するデバイの理論式を与える)、τ:緩和時間(電場をかけてから双極子モーメントが十分に配向するまでの時間)

を、その論文で、横軸をε’、縦軸をε”にして、ωを変化させながらプロットしたものが起源である。Cole-Coleプロットは、伝達関数のナイキスト線図と同じものである。

誘電緩和については、以下を参照。
一般社団法人日本食品工学会のホームページ > 学会誌 > 第9巻 No.3 > 電気物性と誘電緩和 本文PDF[1396K]

Dispersion and Absorption in Dielectrics(英語pdf、KENNETH S. COLEとROBERT H. COLEの論文)

デバイの理論式の導出については、以下を参照。

マイクロ波領域の誘電緩和で何がわかるかのp6の「2.2 デバイ型の複素誘電率スペクトルの導出」

Barker code(Barkerコード)

レーダ測定やシミュレーションに関する翻訳で、Barker code(Barkerコード)という言葉がよく出てくる(例えば、電子戦用信号作成:テクノロジーと手法のp12)。

リニア周波数変調(FM)を用いたパルス圧縮レーダーでは、距離分解能と探知距離(S/N比)を両立させるために、パルス幅Twを長くして、そのパルス内部の正弦波の周波数がTwの期間にリニアにΔf増加する信号(チャープ信号)を送信信号として用い、目標で反射された受信信号を、周波数の増加Δfに対してリニアに遅延時間が減少する回路に通すことにより、元のパルス幅Twを長くしても(S/N比を向上させても)、パルス幅を短く(圧縮)して(パルス幅Twからパルス幅1/Δfに圧縮して)、距離分解能を向上させることができる。

距離分解能と探知距離(S/N比)を両立させる手法として、リニア周波数変調(FM)を用いるパルス圧縮以外に、2値位相変調を用いるパルス圧縮手法がある。この方法では、パルス幅(Tw)が長いパルスを、パルス幅(Tw_s)の短いいくつかのサブパルス(Tw=n×Tw_s)に分割し、各サブパルスの位相をランダムなバイナリ符号列(+1(位相を変化させない)と-1(位相を180°反転する)の符号列)で変調して、送信する。この送信信号と目標で反射された受信信号との相互相関関数のピークの時間位置(時間遅れ)を求めることにより、サブパルスに分割しないパルスを用いる場合よりも短い遅延時間を求めることができる(距離分解能が向上する)。

上の相互相関関数の計算は、長いパルス(パルス幅(Tw))をn個の等間隔の短いサブパルス(パルス幅(Tw/n))に分割し、各サブパルスをランダムなバイナリ符号列で変調した送信波形f(t)と、送信信号が目標で反射して帰ってくるまでに減衰(減衰係数A)して遅延時間dだけズレた、送信信号と相似の受信信号g(t)=A×f(t-d)との相互相関関数の計算なので、送信信号の自己相関関数の計算となる。この自己相関関数のピーク値は、元のパルスの振幅の約n倍になり(すなわち、S/N比のSが大きくなるので探知距離が向上し)、ピークの幅は元のパルス幅(Tw)の1/nになる(すなわち、パルス幅に短くなるので距離分解能が向上する)。

このようなランダムなバイナリ符号列を用いると、自己相関関数のピーク値が大きくなるが、ピーク以外のサイドローブも発生し、目標の誤認につながる。このようなバイナリ符号列の内、自己相関関数のサイドロードの大きさが最小になるものが知られていて、Barker符号(コード)と呼ばれる。

パルス圧縮とBarker符号については、以下を参照。

A study of radar pulse compression using complementary series to modulate the transmitted waveform.(英語pdf)

京都大学大学院 情報学研究科 通信情報システム専攻 集積システム工学講座 超高速信号処理分野 佐藤 亨 教授のホームページ > ディジタル信号処理論講義資料 > 追加テキスト(レーダーにおける距離計測とパルス圧縮)

backhaul(バックホール)

移動体無線の測定に関する翻訳で、backhaul(バックホール)という言葉がよく出てくる(例えば、フィールドにおけるRF/マイクロ波の干渉問題をリアルタイム・スペクトラム・アナライザ(RTSA)で解決する方法のp4)。

バックホールとは、通信の分野では、コアネットワーク(基幹回線網、バックボーン)とアクセスネットワーク(収容局と加入者を結ぶ、ネットワーク全体の末端の回線)を中継する回線である。

携帯電話やスマートフォンなどの移動体通信では、コアネットワークと、BBU(Base Band Unit、IPパケットとベースバンド信号との変換や基地局全体の制御を行なう装置)を備えた基地局との間の回線をバックホールと呼んでいる。BBUを備えた基地局と、RRH(Remote Radio Head、BBUからのベースバンド信号を電波で送信するためにRF信号に変換する(およびその逆を行なう)装置)を備えた張出し基地局との間の回線はフロントホールと呼ばれる。

スマートフォンでの動画視聴や動画投稿などによるモバイル端末からのインターネットの利用の増加、IoTの拡大などにより、移動体通信ネットワークのトラフィックの急拡大が予想され、モバイルフロントホールやモバイルバックホールで使用される光ネットワークの高速化、大容量化も重要な課題となっている。

通信トラフィック予測と、モバイルフロントホール、モバイルバックホールについては、以下を参照。

柔軟なサービス提供に向けた将来の光アクセス技術

IoT時代を支える無線ネットワーク技術

Layer 1(レイヤー1)

通信の測定/シミュレーションに関する翻訳で、Layer 1(レイヤー1)という言葉がよく出てくる(例えば、W1918 LTE-Advancedベースバンド検証ライブラリのp2)。

携帯電話やPCでの電子メール、Webサイト閲覧など、ネットワーク通信が社会活動や生活において不可欠なものになって久しい。携帯電話やPCのメーカーが異なっていても(それらに使用されている通信用デバイスが異なっていても)、伝送経路や伝送形態が異なっていても(電波で伝送されていても、光ファイバーで伝送されていても)、確実に通信が行えるのは、ネットワーク上で通信を行なう際の手順やルール(プロトコルと呼ばれる)が決められている。

コンピュータネットワーク通信の初期には、異なるメーカーの機器間での通信が困難だったので、特定のメーカー(機器)に依存しないデータ通信のプロトコルの必要性が高まり、1984年にISO(国際標準化機構)により、OSI(Open Systems Interconnection)参照モデルと呼ばれる通信システムの設計方針が定められた。OSI参照モデルは実装を考慮していない机上の規格であることや、ちょうどその頃TCP/IP が急速に普及してきたこともあり、OSI参照モデルに準拠した製品は普及しなかったが、ネットワーク通信の基本的な考え方を示すモデルとして広く使用されている。

OSI参照モデルには、7つの階層があり、

第7層(レイヤー7、L7):アプリケーション層(アプリケーションに固有の規定)
第6層(レイヤー6、L6):プレゼンテーション層(データフォーマットに関する規定)
第5層(レイヤー5、L5):セッション層(通信の開始/終了に関する規定)
第4層(レイヤー4、L4):トランスポート層(通信の信頼性(誤り訂正など)に関する規定)
第3層(レイヤー3、L3):ネットワーク層(異なるネットワーク間の通信(データのルーティングなど)に関する規定)
第2層(レイヤー2、L2):データリンク層(同じネットワーク内の通信(パケットの送受信など)に関する規定)
第1層(レイヤー1、L1):物理層(物理的な接続(電気信号の変調方式やケーブル)に関する規定)

と呼ばれている。

OSI参照モデルについては、以下を参照

基礎からわかる!パソコン入門・再入門 > パソコン基礎知識 > インターネットの仕組み > 6.プロトコルとは

IDM、fabless、foundry(IDM、ファブレス、ファンドリー)

EDA(エレクトロニック・デザイン・オートメーション)に関する翻訳で、IDM、fabless、foundry(IDM、ファブレス、ファンドリー)という言葉がよく出てくる(例えば、Premier Communications Design Softwareのp3)。

IDMは、Integrated Device Manufacturerの略で「垂直統合型デバイスメーカー」と訳されることが多い。半導体メーカーのうち、設計から製造、販売まで自社ですべてを行なう(垂直統合で行なう)企業(あるいはビジネスモデル)がIDMと呼ばれる。現在の代表的なIDMとしてIntelやサムスン電子があるが、1980年代から1990年中頃にかけての日本の半導体メーカーはすべてIDMで、世界の半導体売上高トップ10社の半数程度に名前を連ねていたが、現在トップ10社に入るのは東芝の半導体部門だけであり、それも売却の予定である。

1990年代以降、半導体集積回路の微細化が進むに連れて、半導体工場の建設に莫大な投資が必要になったため、IDMに対して、ファブレス、ファンドリーと呼ばれる水平分業型のビジネスモデルが出てきた。ファブレスとは、fab(fabrication facility、製造工場)を持たず、製造はファンドリーに任せ、半導体の設計とマーケティング、販売のみを行なう企業(あるいはビジネスモデル)である。現在の代表的なファブレスとして、Qualcomm、NVIDIA、AMDなどがある。ファンドリー(foundry)とは、もともとは鋳造工場という意味であるが、自社で半導体の設計は行わず、ファブレス企業から製造を受託する(IDM企業からも製造を受託することがある)企業(あるいはビジネスモデル)である。現在の代表的なファンドリーとしては、TSMC(Taiwan Semiconductor Manufacturing Company Limited)があり、ファンドリービジネスの50%以上のシェアを持っている。

IDM、ファブレス、ファンドリーについては、以下を参照。

日の丸半導体 衰退招いた「分業嫌い」の真相 電子立国は、なぜ凋落したか(4)

分業を嫌ったから日本は衰退した?ファブレス/ファンドリーで成功するには

SENT

車載用シリアルバスの測定に関する翻訳に、SENTという言葉が出てくる(例えば、オシロスコープ測定ツールによる車載用シリアルバスの効果的なデバッグ)。

近年、自動車の燃費や二酸化炭素の排出基準の強化に伴い、エンジンの最適制御がますます求められるようになってきている。そのためには、さまざまなセンサからの高精度の情報をECU(Electronic Control Unit)と呼ばれる自動車制御用コンピュータが受け取って、それに基づいてエンジンを制御する必要がある。従来は、アナログ信号としてセンサーから情報を受け取っていたが、自動車の電動化、高機能化に伴う電磁ノイズの増加に起因するグランド電位の変動や伝送時の信号劣化、ECUでのA/D変換誤差などにより、センサ出力値の精度が低下して、高度な制御が困難になってきている。このような問題を解決するために、センタとECU間をデジタル信号で通信するためのプロトコルが開発された。これが、SENTである。SENTは、Single Edge Nibble Transmission(シングル・エッジ・ニブル伝送)の略で、SAE(Society Automobile Engineers、米国自動車技術協会)で規格化された通信プロトコル(SAE-J2716)である。

SENTは、センサーからECUへの片方向のポイントツーポイントのシリアル通信である。2つのパルスの立ち下がりエッジ(シングル・エッジ)間の時間の長さで、4ビット(16通りの状態、1ニブルと呼ばれる)を表し、それをひとかたまり(最小単位)としてデータを伝送するので、シングル・エッジ・ニブル伝送(SENT)と呼ばれる。

SENTについては、以下を参照。

日立評論のホームページ > バックナンバー > 2013年 > 2013年11月号 > パワートレイン用高精度センサーの展開の「3.2 センサー信号伝達での高精度化」