無線通信計測関係の翻訳に、Software Defined Radio(ソフトウェア定義無線、ソフトウェア無線)という言葉がよく出てくる(例えば、デザインとテストの統合による検証の高速化のp10)。Software Defined Radioは、略してSDRと呼ばれることもある。
ソフトウェア(定義)無線は、1970年代に軍用無線として米国で研究が始められた技術で、1990年代の冷戦終結とともに、米国の通信メーカが活路を見出すために、民生用への技術転用が進められた。ソフトウェア(定義)無線とは、無線機におけるデジタル信号処理部の比率を高めたもので、デジタル信号処理ソフトウェアを書き換えるだけでさまざまな無線方式に対応できるものである。すなわち、ハードウェアを変更しなくても(無線方式ごとに複数のハードウェアを搭載しなくても)、無線端末の状況に応じて、プログラムをロードすることにより、LTE無線機にもGPS受信機にもBluetooth無線機にも無線LAN端末にもなれ、コスト削減が期待される。
実際には、デジタル信号処理部の消費電力が大きいとか、型式認定の問題などで、初歩的な実用化にとどまっている。
ソフトウェア(定義)無線については、以下を参照。