noise figure(雑音指数)

図1

図2

マイクロ波測定に関する翻訳で、noise figure(雑音指数)という言葉が出てくる。身近な例では、BSアンテナやCSアンテナの仕様に「雑音指数」という項目がある。

雑音指数とは、信号がデバイスを通過する際の、デバイスの入力端でのS/N比と出力端でのS/N比との比で、「デバイスを通過することによって生じるS/N比の減少度あるいは劣化度」を意味する。例えば、スペクトラム・アナライザで、増幅器の入力端で図1の(a)のような信号が観測され、出力端で(b)のような信号が観測されたとすると、信号の利得は、-40dBm-(-60dBm)=20dBなので、入力端での雑音パワー(-100dBm)も増幅器によって20dB増幅され、出力端では-80dBmとなるはずだが、実際には、増幅器内部で発生した雑音が加わり-70dBmになっている。この10dBの劣化が雑音指数である。

ここで、雑音指数の定義式を、デバイスの利得をG、デバイス内部で付加される雑音をNとして書き換えると、図2のようにデバイスの入力端での雑音パワーに依存する式となる。入力端での雑音パワーは、kTB(ここで、kはボルツマン定数(1.38×10^-23 J/K)、Tは入力信号源の温度(K)、Bはシステムの雑音帯域幅(Hz))なので、結果として、雑音指数は、入力信号源の温度Tに依存する。IEEEでは、雑音指数を決定するための標準温度Tとして290Kを推奨している。雑音指数の測定法として、Yファクタ法コールドソース法などがある。

雑音指数についての詳細は、以下のリンクを参照。

RFおよびマイクロ波の雑音指数測定の基礎

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