無線通信測定に関する翻訳に、ISM band(ISMバンド)という言葉がよく出てくる(例えば、無線測定のためのリアルタイム解析手法のp5の図1)。ISMは、Industrial, Scientific and Medicalの略で、ISMバンドは産業、科学、医療用機器(電子レンジ、医療用温熱装置、マイクロ波乾燥機など)に割り当てられた周波数帯域のことであり、免許不要で使用できる。
日本では、ISMバンドとして、2.4GHz帯や5GHz帯などがある。特に、2.4GHz帯は、ISM機器以外に、コードレス電話、無線LAN、Bluetooth、ZigBeeなどの小電力データ通信システムにも利用されている。このように、さまざまな機器がこの周波数帯を利用しているので、干渉しやすく、通信が不安定になる。このような干渉の問題を防ぐために、周波数ホッピングやスペクトラム拡散などの技術が使用されている。
日本における電波の使用状況については、以下を参照。
総務省電波利用ホームページ > 電波監理の概要 > 周波数割当て・公開 > 周波数の公開 > 我が国の電波の使用状況 > 使用状況の詳細(平成25年10月現在)の一括ダウンロード (325KB)
2.4GHz帯の干渉の問題については、以下を参照。
干渉を起こさない2.4GHz帯ワイヤレス通信を実現する―ノイズ発生のメカニズムとDS-SSスペクトラム拡散方式による干渉の回避