FFT(高速フーリエ変換)

信号解析に関する翻訳に、FFTという言葉がよく出てくる(例えば、高速オシロスコープの歪み特性の評価 AgilentとTektronixの比較のp3)。FFTは、Fast Fourier Transform(高速フーリエ変換) の略で、離散フーリエ変換を高速に計算するための算法である。

図1

図1


任意の周期関数は、その基本波周波数ω0とn次高調波周波数nω0のsinとcosの和で表わすこと(フーリエ級数展開)が可能である。このとき基本波周波数ω0を0に近づけて(周期Tを無限大にして)、周波数領域のスペクトラムを連続化することにより、フーリエ変換と逆フーリエ変換の式が得られる。時間領域の連続関数から周波数領域の連続関数に変換することをフーリエ変換といい、その逆を逆フーリエ変換という。
図2

図2


一般に、時間領域で測定(サンプリング)される信号は、離散データ(短い時間間隔Δtで測定されたデータ)なので、これを周波数領域に変換するために、離散フーリエ変換が用いられる(図1)。サンプリング数をNとすると、離散フーリエ変換を計算するのにN×N個の積を計算する必要があるので(図2)、Nが大きいと膨大な時間がかかる。FFTを使用すると、計算回数がNlogN程度に減少するので(図3)、高速に計算できる。
図3

図3

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