ミキサなどの周波数コンバータに関する翻訳で、conversion loss(変換損失)という言葉がよく出てくる(例えば、Keysight M1970シリーズ導波管高調波ミキサ(スマート・ミキサ)に移行する理由のp6の仕様)。
conversion loss(変換損失)は、ミキサの性能指標の1つである。RF信号をLO信号でダウンコンバートしてIF信号を得る場合は、入力であるRF信号のパワーをP_rf、出力であるIF信号のパワーをP_ifとすると、
変換損失(dB)= 10log(P_if(mW)/P_rf(mW))、パワーがmW単位の場合
変換損失(dB)=P_if(dBm)- P_rf(dBm)、パワーがdBm単位の場合
である。
ダイオード・ミキサによる周波数変換では、必要な周波数以外の高調波が生じ、それらによるダイオード・ミキサ固有の損失により、理論的な最良の変換損失は3.9 dBである。さらに、伝送ライン損失、インピーダンスの不整合、ダイオードの内部抵抗、ミキサの不平衡などにより、通常4.5 dB~9 dB程度の変換損失が生じる。
ミキサの変換損失については、以下を参照
Tutorial on the double balanced mixer(英語PDF)の4 Mixer loss(21ページ)