VSWR(電圧定在波比)

高周波測定に関する翻訳で、VSWRという言葉がよく出てくる(例えば、Agilent N9330B
ハンドヘルド・ケーブルおよびアンテナ・テスタ
のp2)。VSWRは、Voltage Standing Wave Ratio(電圧定在波比)の略である。

伝送線路に信号を流すと、伝送線路の特性インピーダンスと負荷インピーダンスが同じ場合は、すべての入射波が負荷に吸収されて反射波が生じない。しかし、異なる場合はすべての入射波が負荷に吸収されずに反射波が生じる。この反射波と入射波が干渉して定在波が生じる。この定在波の最大の振幅と最小の振幅の比を定在波比と呼ぶ。昔はVSWR計を用いて伝送線路に沿ってプローブを動かしながら定在波の最大の振幅と最小の振幅の相対位置と大きさを記録してインピーダンスを求めていたが、現在はネットワーク・アナライザで周波数掃引を行いながら直接入射波と反射波を測定でき、その結果をVSWR、リターン・ロス、反射係数などに変換している。

VSWRについては、以下を参照
ベクトル・ネットワーク解析の基礎
定在波

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