W、VA、VAR

電源測定に関する翻訳で、W、VA、VARという言葉がよく出てくる(例えば、Keysight Technologies IntegraVision PA2201A パワー・アナライザのp6)。

W、VA、VARは、それぞれ、有効電力、皮相電力、無効電力の単位であるが、有効電力、皮相電力、無効電力そのものを表わすこともある。

有効電力は、実効電力または単に電力と呼ばれることもあり、力学の仕事率と同じ物理量で、蒸気機関を発明したJames Wattに因んでWという単位が用いられている。

皮相電力は、実際に負荷で消費される電力ではなく、電源から負荷に供給される見かけ上の電力で、電圧の実効値と電流の実効値を単に掛けたものなので、電圧を表わす単位V(世界初の電池の発明者Voltaに由来)と電流を表わす単位A(アンペールの法則を発見したAmpereに由来)を合わせてVAという単位が用いられている。

無効電力(reactive power)は、実際に負荷で消費されずに電源に戻る電力であり、皮相電力のうちの無効な部分(Volt-Ampere Reactive)に由来してVARという単位が用いられる。計量法(およびSI単位)では、varと小文字で表記することになっているが、VAR、Var、VArと表記されることもある。

計量法(単位系)については、以下を参照。

新計量法とSI化の進め方-

コメントは受け付けていません。