dynamic range(ダイナミックレンジ)

測定器の翻訳で、dynamic range(ダイナミックレンジ))という言葉がよく出てくる(例えば、発生頻度の低い信号の広帯域/高ダイナミック・レンジ測定による複雑なシステム/環境の特性評価)。

最も広い意味での測定器のダイナミックレンジは、測定器に入力可能な最大信号レベルと測定器で識別可能な最小信号レベル(ノイズフロアレベル(表示平均雑音レベル))との差(比)である。

しかし、測定器では、信頼性と再現性の高い信号レベルの測定値が得られなければ意味がないので、与えられた測定の不確かさで測定可能な最大信号レベルと最小信号レベルの差は、上のダイナミックレンジの定義よりも小さくなる。

ダイナミックレンジを制限する要因として、スペクトラム・アナライザでは、入力信号を増幅する増幅器や周波数変換するミキサの利得圧縮(入力信号レベルが高いと、信号レベルが圧縮され不正確になる)や、2次高調波歪み3次相互変調歪み位相雑音(入力信号レベルが高いと、測定器の内部で発生するこれらの歪み成分により、測定対象の低レベル信号を識別できなくなる)などがある。

ダイナミックレンジについては、以下を参照。

RF/マイクロ波スペクトラム・アナライザのダイナミック・レンジの最適化

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