スペクトラム・アナライザに関する翻訳に、zero span(ゼロスパン)という言葉がよく出てくる(例えば、衛星地上局の正確な検証/保守/修理 FieldFoxハンドヘルド・アナライザのp9)。
掃引同調型スペクトラム・アナライザでは、入力のRF信号を、LO(局部発振器)信号の周波数を掃引しながら(低い周波数から高い周波数に変化させながら(この周波数範囲をスパンと呼ぶ))、ミキサでダウンコンバートして、IFフィルタ(RBW(分解能帯域幅)フィルタ)を通過したRF信号とLO信号の差周波数であるIF信号をCRTに表示している(ここのJavaアプレットを参照)。すなわち、LO信号の周波数に応じて同調したRF信号の振幅が表示される(周波数の関数としてRF信号のパワー(振幅)が表示される)。
ゼロスパンとは、LO(局部発振器)信号の周波数の掃引を止めること(すなわち、スパンをゼロにすること)である。スペクトラム・アナライザをゼロスパンに設定すると、CRTに周波数の関数としてRF信号の振幅が表示されなくなり(振幅対周波数で表示されなくなり)、代わりにIFフィルタを通過した(帯域制限された)IF信号のパワー(振幅)の時間変化(すなわち、RF信号の時間変化)が表示される(オシロスコープのようにタイムドメイン(振幅対時間)の波形が表示される)。
ゼロスパンは、IFフィルタの帯域幅を調整して搬送波信号やスプリアス信号の単位周波数当たりのパワーを求めたり、時間軸上でほんの一瞬にしか存在しないバースト信号のスペクトラムを測定する(タイムゲーティッド・スペクトラム測定を行なう)際のトリガレベルを決めるために使用されたりする。
zero span(ゼロスパン)については、以下を参照
Zero Span Made Simple(英語ページ)
Zero Span(英語ページ)