near-end crosstalk(近端クロストーク)、far-end crosstalk(遠端クロストーク)

高速デジタル信号測定に関する翻訳で、near-end crosstalk(近端クロストーク)、far-end crosstalk(遠端クロストーク)という言葉がよく出てくる(例えば、リアルタイムオシロスコープ用クロストーク解析アプリケーションのp4)。

crosstalk(クロストーク)は漏話と呼ばれるように、昔のアナログ電話回線で他人の電話が漏れて聞こえる現象であるが、高速デジタル回路では、隣接する信号線間で、片方の伝送路のデジタル信号が(0から1や1から0に)変化したときに、信号線間の容量性結合や誘導性結合により、その一部がもう一方の伝送路に漏れる現象である。

隣接する2つの信号線に流れている信号の方向が反対の場合は、一方の信号線のドライバの位置にもう一方の信号線のレシーバが存在するので、クロストークを与える側(アグレッサと呼ばれる)のドライバから見ると、そのドライバの近くのレシーバが影響を受ける側(ビクティムと呼ばれる)となるので、近端クロストークと呼ばれる。

隣接する2つの信号線に流れている信号の方向が同じ場合は、一方の信号線のドライバの位置にもう一方の信号線のドライバが存在し、それらと反対側にそれぞれのレシーバが存在するので、クロストークを与える側のドライバから見ると、ドライバの反対側に存在する遠くのレシーバが影響を受ける側となるので、遠端クロストークと呼ばれる。

最近の高速デジタル回路の高速化、高密度化に伴い、クロストーク解析が極めて重要になっている。

近端クロストーク、遠端クロストークについては、以下を参照

株式会社 エルセナのホームページ > 技術情報 > スペシャリストコラム シグナル・インテグリティを解説 > 第8回 クロストーク入門

コメントは受け付けていません。