OCXO

周波数カウンタに関する翻訳で、OCXOという言葉がよく出てくる(例えば、RF/ユニバーサル周波数カウンタの比較ガイド)。OCXOは、Oven-Controlled Xtal(crystal) Oscillator(オーブン(温度)制御型水晶発振器) の略である。

最近のデジタル機器の急増により、さまざまなデジタルデータが有線、無線を問わず伝送されている。これらのデータを誤りなく送受信するには、送信側と受信側で正確にタイミングを合わせる必要があり、そのための正確な基準クロック信号の発生に水晶発振器が用いられている。

水晶発振器とは、水晶振動子を共振回路に使用した発振器で、水晶振動子の極めて安定で正確な固有振動を利用して基準周波数を発生させられる。LC発振器やCR発振器の温度に対する周波数安定度が100ppm/℃程度であるのに対して、水晶発振器の周波数安定度は数ppm/℃である。

水晶振動子の温度による周波数変化と反対の特性を持つ回路を追加して、さらに周波数安定度を高めたものはTCXO(Temperature Compensated Xtal Oscillator:温度補償型水晶発振器)と呼ばれ、100ppb/℃程度の周波数安定度があり、身近なものでは携帯電話などのGPS信号受信用に使用されている。

OCXOは、温度による周波数変化が最小となる温度で、その温度を一定に保つ(水晶振動子を恒温槽(オーブン)内に配置する)ことにより、極めて高い周波数安定度が得られるようにした水晶発振器である。10ppb/℃以下の周波数安定度が得られ、携帯電話の基地局、放送機器、測定器などに使用されている。

水晶発振器については、以下を参照。

水晶デバイス基礎講座

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