Digital pre-distortion(デジタル・プリディストーション)

無線通信測定に関する翻訳で、Digital pre-distortion(デジタル・プリディストーション)という言葉が最近よく出てくる(参考:高速で実用的なデジタル・プリディストーションの実現)。

モバイル無線基地局の送信用パワーアンプなどに、デジタル・プリディストーション(DPDと略される)が使用されている。パワーアンプを高効率で動作させるには、飽和領域の近くで動作させる必要があるが、歪み(非線形性)が大きくなる(参考:ワイヤレスLAN 用パワーアンプの図2)。非線形性が大きいと、スペクトラム・リグロースが生じ、隣接チャネル漏洩電力が大きくなり(参考:intermodulation distortion(相互変調歪み))、帯域外エミッションに関する規格に違反する。この歪みの原因であるパワーアンプの非線形性と逆特性となる非線形性を、パワーアンプの直前で適用して、歪みをキャンセルする手法をプリディストーションと呼ぶ(参考:ADSディジタル・プリディストーションとLinearization DesignGuideを使用したマルチキャリア・パワーアンプの線形化のp2の図2)。非線形特性を線形特性にすることから、リニアライゼーション(線形化)と呼ばれることもある。デジタル的に逆特性を求める手法をデジタル・プリディストーションと呼ぶ(参考:Linearizing Power Amplifiers Using Digital Predistortion, EDA Tools and Test Hardware(英語PDF))

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