Carrier Aggregation(キャリア・アグリゲーション)

無線通信測定(LTE-Advancedなど)に関する翻訳で、Carrier Aggregation(キャリア・アグリゲーション)という言葉が最近よく出てくる。

Carrierとは、無線通信に使用される搬送波のことで、伝送したい情報(音声とかデジタル・データ)をのせて電波で運ぶための信号である。この信号に情報をのせるための操作は変調と呼ばれる(参考:変調のいろいろ~電波に情報をのせる手法の概観~)。Aggregationの動詞aggregateには、「集める、統合する」という意味があり、Carrier Aggregationで「搬送波を集めて統合する」という意味である。

モバイル通信におけるビデオ伝送などの情報伝送量の急激な増加に伴い、情報を伝送するための帯域幅を広くする必要が生じてきた(大量の情報を伝送するためには、搬送波を複雑な変調方式で変調して情報伝送速度を上げる必要があり、占有帯域幅も増加する。参考:通信システムのディジタル変調入門編)。しかし、法律上許可された通信周波数領域のバンド(帯域幅)が狭く、そのバンドを多数のユーザが使用するので、ビデオなどの大量の情報を伝送するための帯域幅が足りなくなる。これを解決するために、同じ許可された通信周波数領域の異なるキャリア(ユーザが使用していないキャリア)を統合したり、異なる許可された通信周波数領域のキャリアを統合して、広い帯域幅を確保する手法を、Carrier Aggregation(キャリア・アグリゲーション)と呼んでいる。

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