11時ごろ、オフィスの窓から見えた虹です。
このあと青空になりました。なんだか、ホッとしますね・・・

rainbow

trellis diagram (トレリス・ダイアグラム)

デジタル変調解析測定に関する翻訳で、trellis diagram (トレリス・ダイアグラム)という言葉が出てくる(例えば、VXAベクトル信号解析Xシリーズ測定アプリケーション N9064A/W9064Aのp6)。trellis diagramは、トレリス線図とも訳される。

トレリス・ダイアグラムとは、状態遷移図の状態の遷移の様子を時間を追って見やすくしたものである。

状態遷移図とは、ある状態にある入力値を与えると、どのような状態に遷移するかを表したものである。状態は、平面内に状態を区別する記号を丸(あるいは長方形)で囲ったもので表わす。これらの状態間の遷移は、入力値の付いた矢印で表す(例えば、入力が1のときに状態Aから状態Bに遷移し、入力が0のときに状態Aから状態Aに遷移する(すなわち、入力が0のときは何もしない)場合は、状態Aから状態Bに入力値1の付いた矢印で結び、状態Aから状態Aに(すなわち、自分自身を)入力値0の付いた矢印で結ぶ)。ソフトウェアのアルゴリズムをこのように表現することにより、全体の挙動が視覚的にわかりやすくなり、バグや不具合の発見を迅速に行える。

しかし、状態遷移図では、状態を平面内の任意の場所に配置して表すので、状態の時系列変化を調べる場合は分かり難い。そこで、行列の列(縦)方向に取り得る状態を並べ、行(横)方向で時間の経過を表わして、状態間の遷移を単位時間毎に右から左に入力値の付いた矢印で結んでいくことにより、状態の遷移の様子を時間を追って見やすくしたものがトレリス・ダイアグラム(格子状の図になることからtrellisと呼ばれる)である。

状態遷移図の簡単な説明については、以下を参照。

ソフトウェア開発技術者試験対策(1) -オートマトンを考える-

トレリス・ダイアグラムについては、以下を参照。

Encoding/Decoding – Presentation of Convolutional Code(英語ページ)の「Trellis Diagram」の項

W、VA、VAR

電源測定に関する翻訳で、W、VA、VARという言葉がよく出てくる(例えば、Keysight Technologies IntegraVision PA2201A パワー・アナライザのp6)。

W、VA、VARは、それぞれ、有効電力、皮相電力、無効電力の単位であるが、有効電力、皮相電力、無効電力そのものを表わすこともある。

有効電力は、実効電力または単に電力と呼ばれることもあり、力学の仕事率と同じ物理量で、蒸気機関を発明したJames Wattに因んでWという単位が用いられている。

皮相電力は、実際に負荷で消費される電力ではなく、電源から負荷に供給される見かけ上の電力で、電圧の実効値と電流の実効値を単に掛けたものなので、電圧を表わす単位V(世界初の電池の発明者Voltaに由来)と電流を表わす単位A(アンペールの法則を発見したAmpereに由来)を合わせてVAという単位が用いられている。

無効電力(reactive power)は、実際に負荷で消費されずに電源に戻る電力であり、皮相電力のうちの無効な部分(Volt-Ampere Reactive)に由来してVARという単位が用いられる。計量法(およびSI単位)では、varと小文字で表記することになっているが、VAR、Var、VArと表記されることもある。

計量法(単位系)については、以下を参照。

新計量法とSI化の進め方-