I/Q gain imbalance(I/Q利得不平衡)とquadrature skew(直交スキュー)

デジタル変調測定に関する翻訳に、I/Q gain imbalance(I/Q利得不平衡)とquadrature skew(直交スキュー)という言葉がよく出てくる(例えば、89601X VXA ベクトル・シグナル・アナライザ 測定アプリケーションのp3)。

デジタル無線通信では、デジタル信号を搬送波に乗せて伝送するために、QPSKや16QAMなどのデジタル変調が行われる。このようなデジタル変調では、直交変調器(IQ変調器)を用いて、2つのパラレル・デジタル・データの一方に、搬送波と同位相(In Phase)のLO信号をミキサで乗算してI信号を生成し、もう一方に、搬送波と90°異なる位相(Quadrature Phase)のLO信号をミキサで乗算してQ信号を生成する。

このとき、2つの乗算過程でI/Q信号を生成する際の利得に差(これをI/Q利得不平衡と呼ぶ)があると、コンスタレーション図上で、シンボル・ポイントが理想的な円状ではなくI軸またはQ軸の方向に扁平した楕円状になり、復調時にエラーの原因となる。また、2つの乗算過程でI/Q信号を生成する際に使用される2つのLO信号の位相差が90°からずれている(これを、直交スキューまたはI/Q位相不平衡と呼ぶ)場合は、コンスタレーション図上のシンボル・ポイントの理想的な位置が、I軸またはQ軸に対して傾いた位置になり、復調時にエラーの原因となる。

I/Q gain imbalance(I/Q利得不平衡)とquadrature skew(直交スキュー)については、以下を参照

Understand image, carrier suppression measurements basics(英語サイト)

IQ imbalance and compensation(英語サイト)

Trados Studio 2011 SP2R Cumulative update 11

【2013.10.29追記】
このパッチで保存に時間がかかる問題が解消するとお知らせしましたが、追試を行ったところ完全に解消されたとは言えないという結論に達しました。やはり、MSEを利用している場合には、Trados 2011をその監視下から外すことが必要になります。

不正確な情報を掲載したことをお詫びいたします。

【2013.10.25 追記】
「Cumulative update 11」はエンバグしてしまったようなので、問題を解消した「Cumulative update 12」がリリースされました。こちらをご利用下さい。

先日、Trados Studio 2011用の最新パッチ「Cumulative update 11」がリリースされました。SP2R (version 10.2.3046.0)以降のビルドに適用可能なものです。

変更点は大きく分けて2つ。ネットワークライセンスの運用における安定性向上とStudioのバグフィックスとなります。

修正リストのなかで、特に注目したのが次の項目です。

#46337 SDL XLIFF: Performance is not great when writing to network share or when processing files with lot of contexts

以前このblogでも取り上げましたが、Trados 2011とMicrosoft Security Essentials(MSE)の間にはコンフリクトがあり、sdlxliffの保存に時間が掛かるという問題が発生していました。

弊社ではTrados 2011をMSEの監視対象から外すというワークアラウンドを実施していました。この方法は、結果としてセキュリティのレベルを下げることになり、おすすめできる方法ではありませんでした。そこで、この問題も解消されるのではないかという期待のもとにアップデートを適用し、保存に時間が掛かるプロジェクトを選び出しテストを行いました。

結果としては、残念ながら全てのプロジェクトにおいて問題が解消したとは言えない状況です。今後のアップデートに期待したいと思います。

その結果は大成功。Trados 2011をMSEの監視下においた状態でも、保存がスムーズに行われることを確認しました。

修正までかなりの時間を要しましたが、ようやくセキュリティのレベルを下げることなくTrados 2011を利用出来るようになりました。

モーザー数列

先日NHKの「白熱教室」という番組で、オックスフォードの人気数学教授が数学のおもしろさを紹介する、みたいな授業をしていてとても楽しめました。

数列{1,2,4,8,16,…}があります。

「16」の次にはどんな数字が来るでしょう?という問題で

前の数字を2倍していけばいいので誰でも「32」と答えたくなりますが
「31」も正解だというのです。

その理由は、円周上の点を増やしていったときの円の分割領域の個数で、

この数列{1,2,4,8,16,31,57,99,163,…}はモーザー数列といって一般項は
Mn=(n^4-6n^3+23n^2-18n+24)/24
で求められる、と紹介していました。

学生時代数学をやっていた僕はこういうのを聞くと証明したくなるんですが、
社会人になって数学から離れ酒ばかり飲んでる今の僕には到底無理なわけで、
早速WEBで答えを探しました。

すべての領域にラベルを与えると,ラベルを含む数の個数は0,1,2,3,4のいずれかであって
というところの意味が、わかりません(汗;

仕方なく別の解答を探してみると、n=7の場合が灘中学の入試問題にありました。

こんな解答、よく短時間で思いつくよなあ。。。と思いつつ、この概念で一般化すると

Mn+1-Mn=増えた領域の個数
      =増えた線分の本数
      =増えた交点の個数+n
      =n+1C4-nC4+n (*)

(*)交点の個数はn個の頂点から4個選ぶ組み合わせだから
nC4=n(n-1)(n-2)(n-3)/4!

あとは漸化式を解けばいいので高校数学ですね。あースッキリした!