プロ魂?

さまざまな企業のドキュメントを翻訳していると、成長している企業とそうでない企業の識別が少しできるようになってくる。成長している企業のものは、文章が明快で簡潔、わかりやすく書かれている。低迷している企業のドキュメントには、不明瞭なものが多い。ドキュメント構成がしっかりしておらず、文章は意味不明。執筆者しか理解できないような難解な表現のオンパレード。

そんなドキュメントを目の前にすると、ゲンナリしつつも翻訳者としてのプロ魂が燃えたりする。いい作品に変えてやろうじゃないか、と傲慢に意気込んでみるのである。が、単語が散漫に羅列されていたりすると、どうにもこうにも解釈できないことがよくある。そういった場合は、執筆者が作成したかったであろうドキュメントの目的を調べ上げ、執筆者が納得するであろう内容で一から書きあげてしまう。もはや翻訳ではなくドキュメント作成となる。腹立たしくも、プロ魂にバイアスが掛かったような心理状態に陥る。ドキュメント作成にあたってのコンサルティングでもしてあげたい、と本気で思ってみたりするのである。

No crap on tap

HarajukuTaproom先ほどまで、HPがIaaSに参入するという真面目なエントリを書いていたところ、何故かきれいサッパリ消え失せてしまい、失意のどん底におります。とりあえず、他のネタに切り替えついでに、気分の切り替えもしようという魂胆なのです。

※ HPのIaaSネタはまたモチベーションが戻ったら書き直します

ということで、この週末に出かけたのは「原宿タップルーム」。ベアードビール(静岡県沼津市)の直営店であり、ぱみゅぱみゅとした竹下通りの喧騒から離れた大人のお店なのである。

ズラッと並ぶタップ(ビールの注ぎ口)を見るだけで、ついついうれしくなってしまう。ちなみに、さっぱりさわやかな小麦のビールから重厚な黒ビールまで、タップひとつひとつに違う種類のビールが繋がっています。賢明な皆さまは既にご明察だと思いますが、”タップがいっぱいある部屋”すなわちタップルーム(taproom | n. | a room where alcoholic drinks are served over a counter)なのです。

お店のコンセプトは「焼き鳥×ビール」なので、レバーなら黒ビールとか、せせりにはペールエールなどなど、自分だけのマッチングを考えるのもなかなか面白いかもしれません。

多様化

多様化という言葉は便利に使える。価値観の多様化、ニーズの多様化、表現の多様化など、まさに時代を反映して多用されている。しかし、この多様化への対応となると、やっかいだ。価値観が異なれば、対立も起きやすくなる。多様なニーズが出てくれば、個別対応を求められ相当な労力が発生する。ましてや表現が多様化すると、発信側と受け手の認識や解釈の相違を招き論争の種となる。

多様化が問題なのではない。その使われ方の背景にある世の中の変化に気付けるかが重要となってくるのであろう。多くのフェーズにおいて多様化することが望ましい時代でもある。多様化への対応が、ビジネスをはじめ世の中の活性化にもつながっている。

時代を反映する言葉が何を示唆しているのか、といった視点ではなく、多様化の時代背景が言葉に投射されていると捉えると、世の中がどこに向かっているかが見えてくるようで面白い。言葉は生き物である。使われ方も変遷していく。言葉のマニュピュレーターたちは、そんな無数の生き物とどう共存していけばいいのか、今日も模索し続けている。