HP Cloud Compute

弊社では、エンタープライズ向け大規模ソフトウェアのローカライズを行なっています。この一連の作業のなかで、要と言えるのがLinguistic QA (LQA) です。LQAにおいてはソフトウェアを本運用さながらにセットアップし、文脈の整合性、ユーザーインターフェイスの確認、文字化けにいたるまで、あらゆる角度から検証を行います。製品のクオリティを左右する重要な作業と言えます。

そこで問題になるのが、ハードウェアリソースの確保です。エンタープライズ向けのソフトウェアは、一般的なワープロや表計算とは比較にならないほど巨大で複雑な構造をしています。複数のテスターが、同時にかつストレス無くチェックを行うには、デスクトップPCではなく高スペックのサーバが必要になります。さらに最近では、1つのソフトウェアで数台を連携させるものもあり、ハードルはますます高くなっています。社内では仮想サーバ群を構築して対応を続けてきましたが、機材の陳腐化や障害時の対応、リソースの割り振りなど、解決すべき問題は少なくありませんでした。

これらの問題を解決したのが、IaaS(Infrastructure as a Service)です。ベンダーが仮想化されたインフラ(サーバなど)を提供し、ユーザーはインターネット経由で利用します。いわゆるクラウドコンピューティングの一種です。

具体的には「Amazon EC2(Elastic Compute Cloud)」を導入しています。必要なスペックのサーバを僅かな時間で用意でき(複数も可能)、必要な期間だけ運用し、検証の終了とともにシャットダウンすることができます。また、料金が完全従量制という点も評価できます。

前置きが長くなりましたが、このIaaS分野にHewlett-Packardが「HP Cloud Compute」として参入すると発表がありました。オープンソースの「OpenStack」を採用し、ベンダーの囲い込みを排除したのが特色です。今のところベータサービスとなっており、Amazon EC2などの競合サービスには及ばない部分もありますが、本番に向けて機能強化が図られるようです。

論より証拠ということで、早速ベータ版のユーザ登録をしてみました。無料で試用できるとのことだったのですが、利用者枠が一杯のようで「利用可能になるまでしばしお待ちを」ということでした。ちょっと残念です。いずれレポートをご紹介出来ればと思っています。

HP Cloud Compute(hp.com)

誤解される機械翻訳

時折、「機械翻訳」という言葉が「誤訳」という尾ヒレを付けて世間を賑わしている。機械翻訳というシステムが悪いのではない。運用する側の認識に問題があるのだ。機械翻訳されたものは、そのまま使えるレベルにはないが、その機能は改善が進み品質は良くなってきている。市場では、なくてはならないシステムであるが、「機械翻訳はダメだ」と悪者扱いされたりする。問題は機械翻訳を利用する側がユーザー(読者)の求めているものを把握していないところにある。

機械翻訳を利用する市場はさまざまだ。例えば、「機械翻訳の品質で構わない」という市場も存在する。誤訳があっても、とにかく安くてリアルタイムで読めればいいという市場だ。そういった市場が存在するのは、提供者側とユーザー側との利害が一致しているからだ。機械翻訳を利用する人たちは、そこをしっかり認識しておく必要がある。

誤訳があっては困るが、品質的に問題とならない程度で良しとする市場もある。そういった市場では、機械翻訳後に後編集(ポストエディット)という作業を行う。予算と時間に制約がある場合でも、その市場では絶対に必要な作業だ。

品質を問われる市場では、すべてを人手により翻訳することもあれば、機械翻訳と人手による翻訳とを高度なレベルで組み合わせて翻訳を進めていく場合とがある。プロジェクトの規模(期間、予算、リソース調達の度合いなど)により、進め方はさまざまだ。

そもそも、誤訳があっては困る市場に対して、機械翻訳だけで賄おうとするから笑い話のネタになるのだ。予算がなかったのか、時間的余裕がなかったのか。まさか、認識が欠落していたわけではなかろうが、発信する情報がいい加減な内容だと、笑い話では済まされなくなってくる。特に、公共性のある情報の場合はそうだ。「情報の受け手(お客様)が求めているものは何か」を把握することからスタートすべきなのだろう。それが、ビジネスの基本のはずだが。

サンマルクカフェ

ドトールが無くなってしまった今、ランチ後は上島珈琲店に行きたいのだが値段がお高めなのでサンマルクカフェで妥協するしかない。

ここのコーヒーはスタバみたいに微妙に泡立っててあまり好みではないのだが、これから何年もお世話になるであろう。

ドトールの復活を切に願う。