mixer(ミキサ)

図1

図2

図3

高周波測定に関する翻訳で”mixer”という言葉がよく出てくる(例えば、ミキサの変換損失や群遅延を測定するための手法とその比較)。

ミキサとは、周波数の高いRF信号(周波数:Frf)を、その周波数に非常に近い周波数(Flo)の局部発振器信号(LO信号)とミックス(混合)することにより、これらの差周波数(Frf-Flo)であるIF(中間周波)信号(この周波数は、低周波なので、回路内で扱いやすくなる)を得るためのデバイスである。このように、高い周波数から低い周波数に変換するプロセスはダウンコンバートと呼ばれる。逆に、IF信号をLO信号とミックスして、RF信号として電波で飛ばすための高周波を得る際にも用いられる。このプロセスはアップコンバートと呼ばれる。別の見方をすると、ミキサは、掛け算回路になっている。すなわち、入力をVrf=Arf・cos(ωrf・t)、Vlo=Alo・cos(ωlo・t)とすると、出力は、Vif=a・Vrf・Vlo=a・Arf・Alo・{cos(ωrf+ωlo)t+cos(ωrf-ωlo)t}となる。このミキサの直後にローパス・フィルタを入れると、差周波数cos(ωrf-ωlo)tを取り出せる。図で、高周波で一般的なダブル・バランスド(2重平衡)ミキサの動作原理を示す。

Deploy(デプロイする、配置…、展開…、…)

読者層によって用いる訳語を決める必要があるが、IT分野で使う訳語の優先順位としては、1)デプロイする、2)配置する、3)展開する、だろう。”導入…”と訳す場合もある。”配備…”と訳されているケースも見かけるが、軍備に関して用いられる英語の意味がそのまま使われているようで日本語的に違和感は拭えない。IT分野におけるデプロイ(メント)には、幅広い意味がある。リリースやインストールをはじめ、システムの開発環境からステージング環境へ、さらには本番環境への反映も含まれている。システムを利用可能な状態にするまでの一連の行為を指すことを考えると、意味を限定せずにデプロイとした方がいいだろう。

リコピン-リコペン カロチン-カロテン

朝のテレビから聞きなれない言葉が聞こえてきました。

「リコペン」。はて? 小学生の頃、近くの公園でやった(缶蹴り+かくれんぼ)÷2 的な遊びが頭をよぎりましたが、そんなわけもなく…。

それはトマトに含まれる赤い色素で抗酸化作用が注目されるあの成分のことでした。でもあれは「リコピン」では? そう思ったのですが、ただ単に英語読みで「リコペン」、ドイツ語読みで「リコピン」ということだそうです。ちょっと調べてみましたが、農水省の表記は「リコペン(リコピン)」、ケチャップでお馴染みのカゴメでは「リコピン」でした。

ということで、朝の番組は農水省の表記にならっているのかもしれません。

似たような話をもうひとつ。にんじんになどに含まれる栄養素として知られる「カロチン」。しかし、現在この表記は使いません。すべて「カロテン」で統一されています。2000年に食品成分表がに改定された際、「カロチン」→「カロテン」と表記が変更されたのがきっかけです。いまの子供たちは家庭科の授業で「カロテン」と習っているわけです。

ドラえもんのものまねを大山のぶ代の声でやってしまったり、テレ朝を見ようとしてリモコンの「10」を押したりと、ジェネレーションギャップのネタは尽きまじといったところです。