Self branding(セルフブランディング)

この用語がどういった文脈で使われているのかをしっかりと把握しないと、とんでもない誤訳につながる場合がある。英語の感覚からすれば、消費者が自身のコンセプトを、ブランドの持つイメージにオーバーラップさせていくような消費者行動に近いニュアンスだ。つまり、Self~とあったら、自分で~するといった感覚だ。だが、日本でセルフブランディングと言う場合は、自身の認知度を高めるために、自己アピールすることによって自分自身のをブランド化を図る意味で使われる。パーソナルブランディングが企業のイメージアップを目指すのに対して、組織を切り離して個人として自らをプロモーションすることと捉えている。パーソナルブランディングとセルフブランディングは、そういった意味でも明らかに異なる。だが、英語圏でSelf brandingと言う場合は、さらに別の意味合いがあることも頭に入れておく必要がある。安易に訳さず、先ずは文脈を読み取ろう。因みに、Private brandとも意味はまったく異なるので、混同しないように。

intermodulation distortion(相互変調歪み)

計測器の翻訳に、”intermodulation distortion”という言葉が出てくる。略して、IMDと記されることも多い。これは、非線形デバイス(入力と出力の関係が線形(比例)でないデバイス。理想的なアンプは出力が入力に比例する線形デバイス)に、周波数の近接した複数の正弦波を入力したときにそのデバイスの出力に生じる。

図1


図1に示すような、出力電圧が入力電圧の3次式で表わされるわずかに非線形なデバイスを考える。デバイスの入力に周波数が近接した(ω1≒ω2)2つの正弦波(2トーン信号)を入力すると、三角関数の公式から、図2に示す成分がデバイスの出力に現れる。

図2


各成分の振幅を周波数軸に対してプロットすると、2つの正弦波の基本波周波数(ω1とω2)に近接した3次の相互変調歪み成分(2ω1-ω2、2ω2-ω1)が現れる(図3)。この3次の相互変調歪み成分の振幅は、その成分の振幅を表わす係数から、2つの基本波成分が1dB変化したとき、3dB変化する。

図3


ここでは、入力信号として2トーン信号を使用して説明したが、一般に、デバイスが非線形であれば、3つ以上の入力トーンに対しても相互変調歪み成分が生じる。例えば、ある周波数帯を細かいチャンネルに分割して多数の通話を行っている携帯電話などでは、その送信機のアンプに非線形性があると、その出力の相互変調歪み成分が隣のチャンネルと干渉したり(隣接チャンネル漏洩電力と呼ばれる)、スペクトラム・リグロース(spectral re-growth)の原因になる。

Personal branding(パーソナルブランディング)

セルフブランディング(Self branding)とは違うので注意が必要。パーソナル~、セルフ~、自己~、自分~、といった表現が整合性もなく使われたりしているが、パーソナルとセルフでは意味が異なる。Personal~とSelf~を混同して、自分ブランディングなどと画一的に訳すと整合性が失われたりする。パーソナルブランディングでは、「所属組織のイメージを高める」ことを目的として個人のプロモーションが行われる。組織の中の「個人」を前面に出しアピールすることによって組織全体のイメージアップを図り、企業のプロモーションにつなげていくのである。”日産”のゴーン氏や”ワタミ”の渡辺氏などがパーソナルブランディングの成功例と言えば、すんなり理解できるだろうか。パーソナルブランディングは、企業ブランドの価値にも影響を与えるため、企業戦略の一つとして重要度が増している。