higher-order modulation(高次変調)

無線通信測定に関する翻訳で、higher-order modulation(高次変調)という言葉がよく出てくる(例えば、ソリューション:無線LAN 802.11ac製造テストのp2)。高次変調という用語は、デジタル変調に関連して使用される。

基本的なデジタル変調には、BASK(Binary Amplitude Shift Keyimg)、BFSK(Binary Frequency Shift Keyimg)、BPSK(Binary Phase Shift Keyimg)がある。それぞれ、デジタル信号の0と1に対応して、搬送波の振幅(A1とA2)、周波数(f1とf2)、位相(φ1とφ2)の2つの値(Binary)をスイッチ(Key)で切り替えて(Shiftして)情報を伝送するので、このように呼ばれる。これらの変調方式では、1回の変調(1つの波形)で、1ビット(0または1の2値)しか伝送することができない。

BPSKを拡張したQPSK(Quadrature Phase Shift Keying)では、デジタル信号の00、01、10、11に対応した、90°ずつ位相が異なる4つの波形を切り替えて情報を伝送する。QPSKでは、1回の変調(1つの波形)で2ビット(00または01または10または11の4値)伝送することができる。このように、1回の変調で2ビット(4値)以上伝送できるものを高次変調(または多値変調)と呼ぶ。その他の高次変調として、ASKとPSKを組み合わせたQAM(Quadrature Amplitude Modulation)があり、16QAMでは1回の変調(1つの波形)で4ビット(16値)伝送できる。

変調については、以下を参照。

変調のいろいろ

千葉工業大学 佐波研究室のホームページ > 講義関連 > デジタル通信 > 第5章: ディジタル変調の基礎

高級感のある爽やかな丸ゴシック

頭で思い描いたイメージを人に伝えることは非常に難しいことです。

もしもクライアントから次のような依頼が来たら…。

さっそく、脳みそをフル回転で考えてみました。

maruGo

細めのウェイトとちょっぴり斜体&長体。見出しだったらこんな感じでしょうか。フォントは平成丸ゴシックW4。写研がデザインしたこの書体、同社の丸ゴシック体「ナール」の流れを汲む… かどうかは未確認ですが、堅実なデザインではないかと思います。

おまけで、「高級感のない~」バージョンも作りました。こちらは、DFP超極太丸ゴシックです。あくまでも比較ということで、この書体そのものを貶す意図は全くありません。

そもそも丸ゴシックに高級感を求めるというのは、とてもハードルが高い。個人的には「丸ゴ=ポップ」という概念が深く刻まれており、そこから一歩(どころじゃないような気もします)踏み出すというのは一筋縄ではいきません。

それはさておき、何事においてもコミュニケーションは欠かせない重要なことです。齟齬のないスムーズなやりとりを心掛けたいものです。

impedance(インピーダンス)

電気計測に関する翻訳に、impedance(インピーダンス)という言葉がよく出てくる(例えば、Agilent 4294A プレシジョン インピーダンスアナライザ 40 Hz~110 MHz)。

インピーダンスとは、交流回路における電流の流れにくさを表すもので、直流回路における電流の流れにくさ(抵抗R)に相当するものである。オームの法則、R=V/I(V:直流電圧、I:直流電流)との類似から、交流電圧Vac(t)と交流電流Iac(t)を用いて、インピーダンスZは、

Z=Vac(t)/Iac(t)

と表される。また、一般に交流回路ではVac(t)とIac(t)の位相が異なるので、Zは、

Z=R+Xj (R:抵抗、X:リアクタンス、j:虚数単位) (1)

のように複素数で表す。

以下で、抵抗、コンデンサ、コイルに交流電圧を印加した場合を考える。

[1]抵抗Rに交流電圧Vac(t)=V0cos(ωt)を印加した場合は、生じる交流電流の位相は変わらないので、インピーダンスの虚数成分(直交成分)Xは0であり、Z=Rである。

[2]キャパシタンスCのコンデンサに交流電圧Vac(t)=V0cos(ωt)を印加した場合は、よく知られたQ=CVの関係を時間tで微分し、電流の定義、Iac(t)=dQ/dt(単位時間当たりの電荷の変化)を用いると、

Iac(t)=dQ/dt=C(dV/dt)=-ωCV0sin(ωt)=ωCV0cos(ωt+π/2) 

となり、電流Iac(t)は、電圧Vac(t)よりも位相が90°(π/2)進む。

複素平面上では、cos(ωt+π/2)は、cos(ωt)をπ/2回転させたもの(j(虚数単位)を掛けたもの)なので、cos(ωt+π/2)=jcos(ωt)と表される。したがって、キャパシタンスCのコンデンサのインピーダンスZは、複素数表示で、

Z=Vac(t)/Iac(t)=V0cos(ωt)/(ωCV0cos(ωt+π/2))=1/(jωC)=-j/(ωC)

と表される。これは、(1)式でR=0、X=-1/(ωC)としたもので、-1/(ωC)は容量性リアクタンスと呼ばれる。

[3]インダクタンスLのコイルに交流電圧Vac(t)=V0cos(ωt)を印加した場合は、回路を流れる電流Iac(t)により、電磁誘導の法則、L(dIac(t)/dt)=-V_L(t)からコイルに自己誘導起電力V_L(t)が生じる。キルヒホッフの第2法則からVac(t)+V_L(t)=0なので、L(dIac(t)/dt)=Vac(t)を積分すると、

Iac(t)=(1/L)∫V0cos(ωt)dt=(1/ωL)V0sin(ωt)=(1/ωL)V0cos(ωt-π/2)

となり、電流Iac(t)は、電圧Vac(t)よりも位相が90°(π/2)遅れる。

複素平面上では、cos(ωt-π/2)は、cos(ωt)を-π/2回転させたもの(-jを掛けたもの)なので、cos(ωt-π/2)=-jcos(ωt)と表される。したがって、インダクタンスLのコイルのインピーダンスZは、複素数表示で、

Z=Vac(t)/Iac(t)=V0cos(ωt)/(1/ωL)V0cos(ωt-π/2)=1/(-j/ωL)=jωL

と表される。これは、(1)式でR=0、X=ωLとしたもので、ωLは誘導性リアクタンスと呼ばれる。

以上から、抵抗、コンデンサ、コイルが直列に接続された回路の合成インピーダンスは、

Z=R+(-j/(ωC))+(jωL)=R+j(ωL-1/(ωC))

のように簡単に求められる。

また、抵抗、コンデンサ、コイルが並列に接続された回路では、それぞれのインピーダンスの逆数のアドミタンスを足して、全体のアドミタンスを求め、その逆数をとってインピーダンスを求める。

インピーダンスについては、以下を参照

わかりやすい高校物理の部屋コイルを流れる交流コンデンサーを流れる交流

エンジニアのためのインピーダンス測定の8つのヒント