この用語の示唆する内容が広がってきたため、提供、供給、準備といった一般的な意味ではカバーしきれなくなっている。ITの分野では用語の意味する内容が進化しているため、プロビジョニングとカタカナ表記しないと文脈が混乱することになる。
サーバーを例に説明すると、例えばサーバープロビジョニングとは、サーバーを運用可能な状態にすることを指す。つまり、サーバー群からサーバーを選び出し、OSやアプリケーションソフト、デバイスなどをロードし、IPアドレスなどのシステム設定を行う一連の準備作業を示唆する。これがさらに進化して、CPU、メモリ、ストレージなどのコンピューティングリソースを動的に(静的な確保だけでは効率的な処理ができないので動的に必要なリソースを確保して)割り当てることも意味するようになってきた。
ちょっと難しい説明になってしまったが、ユーザー自身がリソースを用意しておかなくても、ニーズに応じてシステムリソースを直ちに用意してあげるようなサービスは、まさにこのプロビジョニングの発想だと考えれば理解できるだろうか。最近は、さらにアカウントやID情報などのライフサイクル(生成~失効)を管理する機能を指す場合も出てきている。そういった意味で、進化系用語なのだ。