昨年から、頻繁に耳にする言葉だ。IT業界では”大規模なサーバーダウン”とか”大規模なシステムダウン”を意味する。メルトダウンの発生とは、サーバー障害などの発生でネットにまったくアクセスできなくなるなど、あらゆる機能やネットワーク全体が完全に停止している状態のこと。何れにしても、メルトダウンと訳した方が無難である。システムやサーバーの話をしていて、”メルトダウン”と出てきて、それを”炉心溶融”とか”株価暴落”と勘違いする人もまずおるまい。”炉心溶融”などと訳したら、読者が卒倒してしまう。文脈をしっかり理解すれば誤訳しないはずだ。勘違いが起きそうであれば、”冒頭の表現を用いるか”すべてのサービスが完全に停止”などとすればよいだろう。
Converged Infrastructure(コンバージドインフラストラクチャ)
IT業界以外では、日本ではまだなじみのない言葉だ。集中と統合を合わせたような意味合いがある。収束と訳されるケースも多い。しかし、”収束されたインフラストラクチャ”とはあまり言わない。”コンバージド~”という訳が広まってきている。ただし、分野によっては(Convergedではなく)”Converge”は”収束”と訳すことが多い。無秩序に拡大を続けるITシステムを”どげんかせんといかん”ということで、ばらばら(サイロ)化しているリソースを統合してビジネス成果を高めようというわけだ。単に収束しただけでは効果は小さいので、サービス、技術、スキルなどの提供と組み合わせたビジネスモデルが広がってきている。
Bottom line(収益…)
IT関連のドキュメントの中でbottom lineと出てきた場合、通常は”収益”とか”業績”と訳した方が無難におさまる。収支決算といったような会計用語を用いるケースは稀だ。ましてや、”決算表の最終行”といった辞書から拾ってきたような訳語を当てはめることはまずない。文脈から、”ビジネス成果”と意訳した表現がしっくりくる場合も多い。ITをいかにビジネス成果に結び付けるかが企業の課題だからである。